過去3回浅草岳に登っているが、全て残雪期もしくはヒメサユリが咲く時期であった。
秋の紅葉期の姿はどうなんだろう?
鬼ヶ面山の大岩壁に映える紅葉を見たくなって、3年ぶりに浅草岳に登ってみた。

【 10/11 浅草岳(1586m)から鬼ヶ面山(1465m) 福島・会越国境 】
田子倉登山口~大久保沢~剣ヶ峰~浅草岳~前岳分岐~貉沢カッチ~鬼ヶ面山~忠右衛門沢カッチ~南岳(横倉沢カッチ)~代官下し~通信反射板~六十里越~六十里越登山口

朝6時半に田子倉登山口に到着。ここは昔は二人勘定ノ広場と呼ばれていた。
今回ご一緒するのはみどぽんさん、maronnさん、ichicoさんの3人。
六十里越登山口に周回する場合は2台の車を必要とするが、みどぽんさんの奥様が六十里越で待っていてくれる事となった。
何時も一緒のマスさんは今回は事情があって参加できず可哀想だった。

やはり人気の山で朝早くから多くの登山者が山頂を目指している。
只見沢対岸の岩山に朝日が差し込んできたが、山頂方面は雲がかかってみえない。
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 登山道は最初は幽ノ倉沢の左岸を歩くが、途中の橋を右岸に渡る。
ここら辺は残雪期にはデブリで埋まっているところだ。
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小沢に沿った登山道を登ると右手の斜面から豊富な湧き水が流れ出している。
やがて大久保沢沿いのくぼ地を登っていくが、そこは深いブナの原生林だ。
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大久保沢を過ぎると急登となり、休み場所がない厳しい登りが続く。
只見尾根(中先尾根)に乗り上げるのは標高700m地点。
ここから本来は急峻に突き上げる裏ノ沢と浅草岳山頂が望めるが、この時点でも山頂には雲がかかっていた。
しかしヤセた尾根筋は紅葉が見ごろで、眼下に田子倉湖を常に眺めながらの登りは快適である。
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ミネカエデの黄葉が青空に映える。
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天気予報では午前9時から晴れが期待できたので、先を急ぐ皆の足を止めて、ゆっくり登るように促した。
本コースは只見尾根から壮絶に切れ落ちる鬼ヶ倉山の東壁が最大の見どころであって、それに雲がかかって見えない事は魅力が半減することを意味する。

かなりペースを落として登っていくと、予想通り鬼ヶ面山の雲が飛び始めてきた。
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登るほどに眼下の田子倉湖の景色が大きく開けてくる。
逆光を浴びて輝く湖面が美しい。背後には会津朝日岳の姿が見えている。
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剣ヶ峰と呼ばれるヤセ尾根は更に展望が開けて、ここで初めて只見沢奥壁針峰群の姿が拝める。
この針峰を見て鬼ヶ面山の名前が付いたのであろう。
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乾いた尾根筋にはミヤマママコナの花がまだ咲いていた。
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カエデの紅葉に思わず足を止めて見入ってしまう。
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鬼ヶ面眺めと看板がある岩場で休憩する。
ここは文字通り南岳、鬼ヶ面山、北岳、貉沢カッチ、そして浅草岳に連なる大岩壁の展望台になっている。
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鬼ヶ面山の全景を写したパノラマ写真。(クリックで拡大。)
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只見尾根はここから更に急峻さを増してくる。
浅草岳の山頂が見上げるほどの高さになる。
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熊合せの標識がある地点は、只見尾根の中でもブナ林がある落ち着けるエリアとなっている。
この付近は昔はマタギの跋扈するところであったらしい。
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ちょうどブナの黄葉が盛りで、黄色く繁る森は明るさを感じた。
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ここから先の登りは岩稜帯も現れるが、随所にロープが張られているので慎重に行動すれば問題ない。
浅草岳南壁に彩られた紅葉がとても印象的であった。
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細かいジグザグを切って道は続く。
振り返ると南方に双耳峰の燧ケ岳と、左には日光白根山が遠望できた。
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貉沢カッチの鋭峰が目線の高さと同じくらいまで登ってきた。
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山頂直下から越後三山の中ノ岳(左)と越後駒ヶ岳を望む。
浅草岳は新潟側では中越に位置し、越後三山も指呼の距離に見えている。
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日当たりのよい場所に未だタテヤマウツボグサが咲いていた。
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一等三角点のある浅草岳山頂に到着。
新潟側から沢山の登山者が登ってきているので、東側のピークに行って休憩をとる事にした。
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休憩地点から鬼ヶ面山と越後の山々を望む。
写真に写っている山名を左から紹介すると、至仏山、平ガ岳、荒沢岳、未丈ヶ岳、丹後山、中ノ岳、毛猛山、越後駒ヶ岳が同定できる。
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この日は少し雲が多く霞んでいたが、南西には苗場山、鳥甲山、妙高山、火打山まで見えていた。
北東から南東方面は飯豊連峰、御神楽岳、吾妻連峰、磐梯山、博士山、那須連峰、男鹿山塊、七ヶ岳、高原山方面が一望だった。

軽く食事をしてから再び山頂を越えて鬼ヶ面山へ向かう。
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山頂から前岳を見下ろす。
只見尾根の岩壁の姿からは想像できない穏やかな草原が広がっている。
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草原から下田・河内山塊を見る。
粟ヶ岳、青里岳、矢筈岳が同定できた。
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浅草岳を振り返る。
こちら側は山スキーに向いている山を言うのがよく理解できた。
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前岳の北側を巻いた地点から尾根に登り返して鬼ヶ面山への縦走路が始まる。
険しい岩壁の縁を辿るルートなので緊張感が高まる。
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貉沢カッチで休憩する。
直ぐ南側の針峰の高度感が素晴らしい。
ここから北岳(村杉沢カッチ)までは急なアップダウンを繰り返す厳しい行程となる。
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頂稜の西側は紅葉が見事で、背後に守門岳をあしらった風景は、鬼ヶ面山の岩場の縁を歩いている事を忘れさせてくれる。
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只見沢奥壁針峰群を振り返る。
頂稜から数百mもの高度差があるでかい岩壁である。
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北岳の鞍部付近から鬼ヶ面山の東面岩壁を見る。
この岩壁の成因は火山の爆裂火口であるらしい。
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北岳の登りから浅草岳を振り返る。
この付近の灌木の紅葉が一番見事であった。
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今回は鬼ヶ面山の最高峰:北岳には登らず、肩から鬼ヶ面山方面に向かった。
右手に見えるこんもり盛り上がった山が鬼ヶ面山(夕沢カッチ)である。
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鬼ヶ面山の登りから北岳を振り返る
険しい頂稜に対して穏やかな山容をしている。
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鬼ヶ面山山頂は写真を撮っただけで通過。
この山頂はあまり展望が開けていない地味なピークなのである。

休憩は先に見える忠右衛門沢カッチでとる事にした。
写真の遠景(左手)は会津朝日岳から会津駒ヶ岳に伸びる長大な山塊が見えている。
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忠右衛門沢カッチから南岳(横倉沢カッチ)まではあまりアップダウンのない行程であるが、数か所足元から数百mも一気に切れ落ちている部分があり、足運びに細心の注意が必要である。
高所恐怖症の方は身体がすくんでしまうほどの高度感だ。
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南岳の山頂から浅草岳を望む。
只見尾根の只者ではない急峻さが一番分かるアングルである。
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このピークで岩壁の縁を辿るのはお終い。
代官下しと呼ばれるところまで少しの間、田子倉湖を見下ろしながらの快適な尾根歩きが続く。
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矮生ブナの広い尾根を下っていくと、裸山乗越からくる道に出会う。
そのほぼ平坦な道をたどると送電線の下を潜り、マイクロウエーブの反射板のピークに達する。
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そこからブナの森をジグザグに下って旧六十里越の峠に降り立つ。
ここは会津移封の折に直江兼続ら上杉家一行が越えた峠であるらしい。

峠から右折して長いトラバース道に入り、送電線の巡視路と別れて左折し急降すると六十里越登山口はすぐであった。

田子倉登山口に帰り着くと夕日に照らされた浅草岳が見えていた。
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秋の会津最奥の山を堪能した一日であった。
今回はマスさんが参加できなかったので、次回来る時は山開きの時に入叶津まで周回する時かな。 

GPS軌跡です。
asakusa


動画です。