山形県庄内地方に位置する摩耶連山は標高1000m足らずの低山であるが、冬の日本海を渡る季節風をもろに受ける地理的な環境ゆえに豪雪地帯として知られている。
冬の間に多量に降る雪は偏東積雪をもたらし、連山の東側は雪崩の影響で削られてスラブが露出し、標高に似合わない険しい山容を呈している。
今回は湯ノ沢岳から母狩山まで縦走したが、このコースは過去3回とも残雪期にしか歩いていなかった。
秋の紅葉シーズンの景色を見たくなり、山仲間を誘ってみると、そのご友人を含めて総勢12名の大人数のパーティとなった。

【 10/19 湯ノ沢岳(964m)から母狩山(752m) 山形・摩耶連山 】
湯ノ沢川登山口~471m峰~692Mm峰~ジャンクションピーク~湯ノ沢岳~ジャンクションピーク~797m峰~733m峰~三ノ俣山~653m峰~717m峰(だまし母狩)~母狩山~東尾根下山~砂防堰堤の登山口

今回ご一緒するのはたたみ屋光悦さん、次郎長さん、黒ヤギさんNYAAさんutinopetikaさんmorinoさん、maronnさん、TOMさん犬猫馬さんすばるぅさん、そしてマスさんである。
初めてお会いした方も3名おり、人数が多いので時間がかかる事も懸念されたが、皆さん健脚でそれは杞憂に終わった。

すばるぅさんは前日に摩耶山の倉沢コースを周回されていて、紅葉がちょうど見ごろだと言っていた。
それを期待して今回訪れたのであるが、7合目より上部は素晴らしい紅葉が見られた。
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谷定集落の神社で庄内の面々と待ち合わせる。
そこから砂防ダム下の駐車場まで車で入り、車3台を下山口であるそこにデポした。

国道112号線を再び南下して旧朝日村の下本郷地区から看板に導かれて湯ノ沢岳登山口まで車で入った。
林道の状態は良く、普通車でも通行可能である。
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この登山口にも砂防ダムがあり、湯ノ沢川を木橋で渡って山に取り付く。

一段登るとワラビ園の中を通り抜ける。
青空の下、前夜降った雨による霧が薄れていく状態であった。
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ミゾソバの花が朝日を浴びて輝いている。
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途中まで古いブル道を歩いて行く感じ。
薄い霧の中から紅葉が浮かび上がってくる。
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杉の植林地に差し込む朝日が幻想的な風景を作っていた。
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一合目の標柱から本格的な山道の登りが始まる。
摩耶連山は朝日連峰の以東岳から化穴山、桝形山、重蔵山を経て朝日スーパー林道を越え、更に大鳥屋山、北俣山から北上して摩耶山、三方倉山、そして湯ノ沢岳、母狩山、最後に金峰山で庄内平野に吸収される長い連峰を指す。
その意味では広義には朝日連峰とも言える山塊である。
朝日連峰は登山口から急登が続く厳しい山のイメージがあるが、この湯ノ沢岳も同様に標高0mに近い平野部から一気の急登が山頂まで続いていて侮れない。

北側の小俣(川)の対岸の峰を望む。
ここで霧のラインより上部に抜け出した。
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二合目の見応えのあるブナの巨木。
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四合目付近からブナの黄葉が見られる。
青空の下で黄色が眩いばかり。
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唐突に湯ノ沢岳の山頂が見えた。
荒々しい東面のスラブを初めて見たメンバーは驚く。
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もう少し登ったところでスラブの全景が見えてきた。
とても標高1000mに満たない低山とは思えない山容をしている。
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692m峰付近の紅葉のトンネル。
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鎖場がある岩稜のピークから登ってきた東尾根を振り返る。
この時点で月山の山頂部には雲がかかっていた。
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湯ノ沢岳から5km北に位置する母狩山
ブナの原生林に覆われた縦走路が続いている。
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足元にはイワカガミの紅葉
艶のある赤い葉っぱが美しい。
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八合目付近のヤセ尾根の登り。
潅木の紅葉はこの付近が一番見応えあった。
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尾根の右手には小俣(川)源頭部の急峻なスラブ。
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尾根の左手は大俣(川)のスラブが落ち込んでいる。
奥のピークが湯ノ沢岳。
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母狩山への縦走路が分岐するジャンクションピークにザックをデポして湯ノ沢岳に向かう。
少し先の右手の沢に水場がある。水量はあまり多くないが、山頂直下で水が取れる貴重な場所である。

山頂付近のブナはほとんど落葉していた、
晩秋を思わせる景色の中、急な坂を登りつめると湯ノ沢岳山頂に着く。
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残雪期には素晴らしい展望が広がる山頂だが、今の時期は木々が邪魔をして一部の方向しか見渡せない。
更に前夜の雨の影響で霞んでいて少し離れた山はぼんやりとしか見えなかった。

しかし朝日連峰の以東岳や、写真で三角形に見える障子ヶ岳の姿は直ぐに同定できた。
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ジャンクションピークに戻って軽く食事をとる。
ここで大机口から3名の登山者が登ってきた。
この日出会った登山者はこの3名だけ。天気が良い紅葉期の週末なのに、この登山者の少なさ・・・

縦走路に入ると直ぐにブナの原生林の中に突入する。
標高800m付近のブナの黄葉が一番良かった。
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このブナの森の特徴は季節風と雪の重みで変形したブナが多い事。
そしてコケの付着が少なく、白い木肌が美しい事である。
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足早に通り過ぎるのが勿体ないくらい素晴らしいブナの森が続く。
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比較的平坦な広い尾根筋のブナの森は、ブナの森広場の看板が設置されているこの付近でお終い。
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倒木を見るとナラタケが生えていた。
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広い尾根からヤセた尾根に入り、小さなアップダウンを繰り返すと三ノ俣山に着く。
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ここは展望の利かない縦走路中で唯一東側の展望が得られる。
稲刈りの終わった庄内平野の果てに虚空蔵岳が遠望できた。
月山はやっと山頂まで見えてきたが、霞んでいて写真にならない。
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三ノ俣山を越えて少し進んだブナの森で休憩。
マスさんお手製のスイーツをいただく。

先ずは『ペテット・オ・ペカン』(胡桃とカラメルの焼き菓子)
胡桃の香ばしさが際立つケーキだった。
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そして『クランベリータルト』(クランベリーとレーズンのタルト)
こちらは甘酸っぱいケーキ。
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12名で切り分けたので一人当たりの分量が少なかったが、それでもコーヒーを飲みながら美味しくいただけた。

ここから先はキノコを探しながら歩く。
ナラタケは雨に打たれてほとんど半腐れの状態で採取できず。
替りにクリタケが生えていて、その栗色の綺麗な傘が印象的であった。
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やがて前方の視界が少し広がり、だまし母狩のピークが見えてきた。
このピークを含めて母狩山へは3つのピークの登りがある。
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秋の夕暮れはつるべ落とし。
時間も押してきているので、だまし母狩から母狩山までのアップダウンは休まずに一気に走破した。

母狩山の山頂直下から湯ノ沢岳と歩いてきた稜線が望めた。
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母狩山の山頂は以前は周囲の木々が伐採されていて展望が利いたが、現在は木々が伸びてほとんど展望がない。
最後のピークなので少し長い時間休憩した。

母狩山北側の金峰山への分岐の手前で北側の展望が開ける。

金峰山と鶴岡市街地が見下ろせた。
しかし残念ながら奥に君臨する鳥海山の姿は、この日は一度も見えなかった。
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母狩山から谷定への下りは非常に急で慎重な歩行が要求される。
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高見台から一般コースは北側の沢に向って降りていくが、この日は光逸さん開削の東尾根ルートを忠実に下った。
途中で見るまっすぐに育ったブナが印象的であった。
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粘土質で滑り易い道に苦労しながら、全員元気に砂防ダムの下にある駐車場に帰り着いた。
ここから湯ノ沢岳登山口まで車を回収しに行き、かたくり温泉ぼんぼで登山の汗を流して帰った。

標高の低い低山の縦走だが、中級山岳を登ったような達成感のある山行だった。
秋のこの縦走路もなかなか味わいがある。 

今回はGPS軌跡はなし。
平成24年4月28日に登った記録を参照してください。

動画です。