櫛形山脈は加治川と胎内川に挟まれた直線距離13kmの山並みで、最高峰は標高568mの櫛形山である。
この小さな山並みは日本で初めて作成された地形図(大日本帝国陸地測量部発行:大正14年 『図版名:中条』)において、櫛形山脈と命名された。
晩秋の晴れた一日、昨年に引き続きみどぽんさんとこの山脈を訪れた。
【 11/8 櫛形山(568m)から大峰山400m) 新潟・下越 】
石切山コース登山口~ユズリハノ峰~黒中山~板入りノ峰~中沢山~坂井越~飯角分岐~大沢登山口分岐~タカツムリ城址~櫛形山~大沢コース分岐~法印瀑分岐~箱岩峠分岐~大峰山~チェリーヒュッテ大峰~一本松眺望台~大峰山登山口
櫛形山に登るのは今回で三回目。
最初は大沢コースから櫛形山に登り、主稜線を北上して鳥坂山から白鳥山に至り宮ノ入コースを下山した。
昨年は大沢登山口から主稜線に直登し、櫛形山を往復の後、鳥坂山まで縦走し、胎内観音に下った。
これまでの縦走は櫛形山脈北部の2/3だけ歩いくのみで、南側の大峰山は未踏だったので、今回はユズリハの峰から南下して大峰山まで一気に縦走するコースにチャレンジした。
本来は願文山まで歩けば完璧な繋ぎ縦走が完了するのであるが、秋の早い日の入りを考慮してそのコースは諦めた。
桜公園の駐車場でみどぽんさんと待ち合わせる。
そこから私の車で縦走の起点になる石切山登山口まで行く。
胎内警察署のところを右折するのが本来のアプローチコースであるが、最初は間違って白鳥山の駐車場まで行ってしまい戻った。
一台の車もいない石切山コースの登山口駐車場で登山準備を行う。
駐車場入口に鳥坂山周回の登山イラスト看板が設置されているが、概念図で非常に分かりにくい。
歩き始めてから間違って羽黒観音の入口まで歩いてしまった。
石切山登山口から急坂を一登りで低木の尾根に出る。
背後にマイクロウェーブアンテナが設置された白鳥山が見えている。

この尾根は効率よく主稜線に抜けるルートであるが、朝露に濡れた凝灰岩質の岩がとても滑るので難儀した。
低木の梢越しにこれから歩く櫛形山への縦走路が見えている。

ユズリハの峰で縦走路と合流し、そこを右折する。

急坂を登っていくと背後に朝日が当たった鳥坂山が望めた。

北側には高坪山が胎内川を挟んで対峙している。

黒中山の標識がある付近の紅葉。

板入りの峰で軽く食事をとる。
昨年もこのピークで大休止した。
ブナに囲まれた気持ちのいい山頂である。

周辺はモミジの紅葉が素晴らしかった。

櫛形山の山頂までまだ5km以上ある。
この日は標高300~400m付近が紅葉の見ごろを迎えていた。

イロハモミジの赤が青空に映えて綺麗だ。

縦走路ではブナやミズナラの自然林と、アカマツ、杉などの人工林が交互に現れてくる。
アップダウンは非常に多いが、植生がどんどん変わるので森林公園の中を歩いているような錯覚に陥る。

ミズナラの立枯れにナメコが生えているのをマスさんが見つけた。
昨年もナメコは結構採れたが、今年は腐食が進んだナラの木ばかりになり、ナメコやクリタケの姿はほとんど無くなっている。

坂井越で大休止。
ここは新雪で化粧された飯豊連峰の展望台になっている。

マスさんお手製の和菓子『アサガオと二十世紀』をご馳走になる。
二十世紀は中にゴロンと梨の果実が入っていて、和菓子とは思えない豪華な味が楽しめた。

途中で林床がユキツバキに覆われた森があり、狂い咲きのユキツバキの花が咲いていた。

飯角分岐付近でから漸く近づいてきた櫛形山を見る。

クリタケは炊き込みご飯にすると美味しいキノコである。
でも昨年と比べると生えている量は少ない。

樹林を透かして胎内市(旧中条町)の街並みが見下ろせる。

タカツムリ城址付近の紅葉。
ここまで来れば櫛形山は指呼の距離。
すれ違う登山者の数も一気に増えてきた。

昨年は頂稜のブナの黄葉が見事であったが、今年は既に落葉して冬ごもりの様そうを呈している。

多くの登山者が休んでいる櫛形山の山頂に到着。
東側に広がる飯豊連峰の大観に目を奪われる。

北股岳(右)から門内岳、扇の地紙、地神山へと連なる飯豊主稜線。

左に目を移すと三角形の山容が印象的な光兎山。

胎内スキー場の奥には大境山(左)と枯松山が同定できる。

飯豊をバックに山頂で記念写真。

山頂から大峰山への未踏の縦走路に足を踏み入れる。
頂稜のブナの森は直ぐに終わり、直進する大沢コースと別れて左折する。

左折すると登山道の道標や道伐りの方法が異なっているのに気が付く。
櫛形山の主稜線の縦走路は胎内市の管理で、大峰山までの道は新発田市の管轄となっているようだ。
法印瀑分岐までは小さなアップダウンを何度も繰り返していくが、振り返るとブナに覆われた櫛形山の姿が見えていた。

そこを過ぎると尾根の少し西側斜面をトラバースする歩きやすい道が続く。
マイクロウェーブアンテナのあるピークの手前では二王子岳方面の展望が広がった。

アンテナ施設は北側斜面を巻いて行き、知らない内に通り過ぎてしまう。
標高300m付近は原色の美しい紅葉が見られた。

箱岩林道と合流した地点から大峰山への登りが始まる。
途中で箱岩峠への分岐がある。
そこを右折して約10分程度登ると三等三角点のある大峰山の山頂に着く。
昭和9年に天然記念物に指定された橡平サクラ樹林の斜面が一望できるピークだ。
今は桜の花ではなく、紅葉に彩られた斜面になっている。

山頂から400m下るとログハウス的な作りのチェリーヒュッテ大峰が見えてくる。
内部はかなり綺麗な山小屋だった。

小屋の前から歩いてきた櫛形山(左)の姿が望めた。

大峰山の展望台からは蒲原平野と日本海の大展望が広がっている。
長い縦走路の最後に大きな展望が得られるのは山脈北端の鳥坂山と似ている。

この日は午後から次第に曇ってしまったが、佐渡や粟島の姿も確認できた。

下山は約30分の距離を大峰駐車場まで下るだけ。
途中で一本松眺望所があるが、桜が咲いている時期ではないので見るべきものはなかった。
途中で一本松眺望所があるが、桜が咲いている時期ではないので見るべきものはなかった。
その後は直ぐに杉の植林地に入ってしまい、面白味に欠けるルートではあるが効率はすこぶる良い。
狭い駐車場にみどぽんさんの奥さまが待っていてくれた。
そして石切山登山口まで送っていただき、とても有難かった。
この場をお借りして御礼申し上げます。
この場をお借りして御礼申し上げます。
この日は歩行距離14km、累積標高差1100mも歩いた。
体力的には大東岳の周回よりもハードだと思う。
そこそこキノコも採れたし、目いっぱい歩けたのでとても満足できた一日だった。
でも一応メインなルートは今回で歩いてしまったので、新潟まで遠出して櫛形山に登りに来ることは今後ないかもしれない。
GPS軌跡です。(クリックで拡大。)
動画です。

コメント
コメント一覧 (6)
私も3年連続で行きましたので、しばらく行くことはないと思います。
今回の動画は落ち葉を歩くときのカサカサした音、バイオリンの枯れた音色が晩秋の寂しくなっていく山にマッチしていて、じっくりと聞かせていただきました。
車を回していただいてありがとうございます。
ほぼ完全縦走に近い形で本当に充実した一日となりました。
下越の新しい山を開拓しなければなりませんね。
動画の音楽は今回はマッチしたと自負しております。
SONY機よりパナ機の方が紅葉の色が出ている感じでした。
飯豊と日本海を見て歩ける櫛型山脈は、宮城で言えば七峰縦走?でもあまり展望が無いから違いますね。
新潟がうらやましい。
昨年に比べてキノコは激減していましたよ。
七峰よりブナ林もあって櫛形山の方が変化に富んでいますね。
来年も同時期に新潟方面の低山を登るつもりです。
SONEさんは、もう行かないんですね。では、ネコチャリをデポしてがんばることにします
五頭も完全縦走するとハードそうですよね。
これで3回目、ほぼ縦走してしまったので、しばらくは歩かないと思います。
チャリデポは大変ですよ。