櫛形山に続き二週連続、昨年と全く同じ山に、同じ時期に登ることとなった。
その山は山形県金山町の竜馬山である。
東側に凝灰角礫岩の岩壁が連なる特異な山容は地元の方々の信仰の対象となっている。

【 11/16 竜馬山(521m)山形・神室連峰 】
魚清水~竜馬山~有屋小学校近くの修験道コース入口

二日前から山形県内の山は雪が降り続いていて標高500m以上は雪景色となっている。
鍋越峠は積雪のために通行止で、関山峠を大きく迂回して山形に入った。
しかし曇りの天気予報にも関わらず、村山市を過ぎて尾花沢市に至までずっと雨が降っていて、雨具を着て登る覚悟を決める。

尾花沢の道の駅で今回ご一緒する犬猫馬さんとすばるぅさんと合流。マスさんと含めて今回は4人パーティである。
車二台で山形県北部の金山町を目指す。
新庄市に入ると雨が上がり曇り空になって一安心した。

国道13号線を右折して有屋方面へ車を走らせると、左手に険しい山容の竜馬山が見えてくる。
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前日、仙台市内で山仲間の忘年会を行った。
そこで一緒だったみいらさんから、直登コースの存在を聞いていたが、十二の神様を巡拝しながら登る御山駆けを行うそのルートは、スパイク長靴では岩盤の沢筋の登りで滑って難しいらしい。
宮集落から眺めると岩壁を抱いた竜馬山東面岩壁が一望できるが、沢状を登ると言われる直登コースは何処なんだろう?
概ね予想は出来るが、尾根に上がった後は山頂まで恐怖のナイフリッジを通過するのは必定と思われた。
半ばロッククライミングに近い行程が予想されるので、今回は直登コースはパス。

竜馬山は有屋方面からみると、あたかも屏風をたてたように見える岩山で、昔から地域の人々の信仰を集めてきた。   
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竜場山はもともと妙寿々岳と言われていたらしい。しかし頭が竜で馬の胴体を持った竜馬が目撃されたとのことが由来で竜馬山と命名された。現在は金山駒ヶ岳の俗称も持つ 。
竜馬山の岩壁中腹には底知れない大穴があり、中に白龍が住んでおり60年に一度だけ姿を見せるという。
大正4年に94才で死んだ人が6才のときに現れたという言い伝えが残っている。

さて今回は車二台だし、思ったより積雪が無かったので、南西側の魚清水から適当に藪尾根を登って、有屋小学校付近の修験道コース口まで縦走するコースを現地で考えてみた。

でも歩いた結果は、登り下りとも非常に危険なコースなので安易に同じようなコースを採らない方が身のためである。
登山技術的には藪漕ぎも含む上級者向けのコースなので、今回は詳しい行程に関して記事には載せておらず、GPSの軌跡も出すつもりはない。

魚清水の集落を少し過ぎたところで車を駐車する。
車道を歩いていくと晩秋の魚清水の集落が見下ろせた。
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南東側には雪を被った台山と火打岳西峰が望める。
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伐採地の猛烈な藪漕ぎを嫌って急な山腹を斜高気味に登っていく。
それでも藪が煩く歩行は遅々として進まない。
 
尾根に出ると竜馬山が木々の間から望めた。
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途中、立ち枯れにナメコを見つけて皆で採取する。
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カラマツ林に入ると左から作業道が合流した。
ここからは今までの藪漕ぎが嘘のように楽になった。
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このまま簡単に山頂まで行けると思っていたら、目の前にコケが付いた岩稜が出現して驚く。
しかし比較的幅が広いので、この岩稜はあまり怖さを感じずに通過でした。
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だが岩稜の上の松の木まで上がってみると驚いた
ほとんど立って歩くのが限界に近い細いナイフリッジがその先に続いていたのだ。
この場所こそ最上山岳会の坂本さんが竜の立鬣(たてがみ)と表現した難所に間違いない。
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ナイフリッジは一番細いところで50cm程度の幅しかない。
左側はオーバーハング気味に目算で15m程度切れ落ちていて、その下は急峻なルンゼが遥か下まで落ち込んでいる。
右側は斜度80度程度のルンゼ状の岩場になっていて、高差50mほど下に樹林帯が見下ろせる。
若い男性二人は何事もなく歩いていったが、マスさんと私は怖いので、一番細くなったナイフリッジの箇所は四足歩行で通過した。落ちたら命の保証はない。

ナイフリッジを通過したところで振り返ってみると、よくこんな所を通過できたなと自分でも驚く。
恐らく山形県内で随一のナイフリッジかもしれない。
但し、この地点は一般登山道では無いので、私の記事を見て歩いて事故っても責任は取れません。(あしからず・・・)
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流石にナイフリッジは視界を遮るものが一切ないので、丁山地が一望できた。
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その先も小規模なナイフリッジが二か所現れる。
でもすっぱり切れ落ちておらず、高度差もあまりないので簡単に通過。
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一般登山道に出ると、新雪が踏まれた跡が山頂まで続いていた。
この日は我々に先行してかなりな人数の登山者が登っていたらしい。

 少し雪が残るヤセ尾根を辿って山頂を目指す。
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東側の展望だけ開けた山頂に着くと冷たい風が吹き抜けていた。
鉤掛森と檜木森、右手奥に三角形の山容をした水晶森が見えている。
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雪で白くなった前神室山は山頂が雲の中に隠れていた。
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南側には特徴のある山容をした杢蔵山の姿が確認できる。
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北東にはツンッと尖った烏帽子山が望めた。
以前登った山だが、来年あたり再訪したいものだ。
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下山路は一つ北西側の小ピークから右折する修験道コースを採る。
下り始めはここに道があるのか信じられないような急坂である。
左右切れ落ちたヤセ尾根で、トラロープがなければとても下れる尾根ではない。
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落ち葉の上に新雪が薄く積もっていて、一歩ごとに足元が滑って危ない。
靴底で落ち葉を蹴落としながら足場を確保して下った。

左手が伐採されたところから鳥海山の下部が望めた。
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その右手には丁岳と男加無山の姿が同定できる。
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西には弁慶山から八森山へ連なる稜線が遠望できた。
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北尾根には踏み跡が続いているが、それを忠実に下ると車からどんどん離れた遊学の森方面に行ってしまう。
途中、岩稜が出てくる手前の地点で右を見ると、何となく道と分かるほどの薄い踏み跡が斜めに下っている。
ここが尾根からの下降点で、下り始めは岩場の基部を岩こぶや根っこに掴まりながら下る。
ここで足を滑らせると高差50m以上は滑落するので慎重な歩行が要求される。

やがて全くステップのない急斜面に、延々とトラロープが下に伸びているのを見る事ができる。
この下山路は踏み跡程度の道も存在せず、トラロープがある事でコースだと把握できる常識では考えられない道なのだ。

落ち葉が積もっているため、スパイク長靴でも足場が滑って難儀する道を、トラロープ頼りに下っていくと、最終段階で一か所ロープが途切れた場所があった。
ここは斜面の根っこを手で掘り出しながら下る。
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トチノキの巨木のところまで下ると難場は終わり、斜度が緩くなってくる。
尾根から不確かな踏み跡を辿って左手の杉林に入り、最後は赤布も何も目印がない斜面を昨年の記憶を辿って下ると、やっと金山川にかかる橋の所にデポしていた車の前に飛び出た。

もう一台の車を回収しに魚清水に向かい、山頂で寒くてご馳走になる時間がなかったので、下山後に食べる事にしていたマスさんお手製のコグマのケーキを食べる。
サツマイモの芋羊羹のような温和な味がするケーキだった。
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その後、犬猫馬さん達と別れて仙台に直帰した。
帰り道では雪を戴いた神室連峰の峰々が神々しく見えていた。
竜馬山の今後の課題はより険しさが増すであろう直登ルートであるが、クライミングに長けた方と登らないと無理かもしれない。 


動画です。