5年ぶりに福島の名峰:霊山に登ってきた。
この日は国司沢岩と二ツ岩の登攀を目的に、ロープやハーネスも持参していたのだが、前夜から福島中通りでも積雪があり、岩場の登攀は危険と判断。湧水の里を起点に岩場巡りとなった。

【 12/7 霊山(825m) 福島・阿武隈山地 】 
湧水の里~紫明峰分岐~八方観~不動岩~鷲岩~天狗岩~日枝神社~東物見岩~学問岩~蟻の戸渡り~望洋台~猿跳岩~五百羅漢岩~弁天岩~日暮岩~天狗相撲場~護摩壇分岐~国司沢岩を見下ろす~子不知 親不知~護摩壇~国司館跡~霊山城跡~日枝神社~霊山閣分岐~紫明峰分岐~湧水の里

宮城・福島県境付近の東北道では吹雪模様となり、猛烈な冬型の気圧配置ゆえに日本海側から雪雲が奥羽山脈を越えている状況であった。
国見ICで高速を降りると、天気の良い日には東に霊山の平頂が指呼できるが、山頂は雲に覆われて見えない。

霊山神社を経由して湧水の里へアプローチするが、左折する最短距離の車道は道路工事中で、途中で通行できなくなり、戻って霊山閣跡経由で湧水の里へ着いた。

湧水の里のキャンプ施設は11月15日で閉鎖されていて、この日、こちらから登る登山者は我々のみであった。
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今回ご一緒するのはmorinoさん、マロ7さん、そしてマスさんの三人。
当初の目的の国司沢岩の登攀は、現地の積雪状態を見て、ほぼ絶望的だと思いながら出発する。

あまり登る人のいない湧水の里からのルートは、道幅が細く、随所に桟道や鎖場があり、雪の積もった時は滑落の危険が高いので慎重な歩行が要求される。
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胎内くぐりの様な岩穴を通り抜けると、
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直ぐ上に八方観と呼ばれる岩塔が見えてくる。
大きな頭を乗せたような岩塔で、あたかも信達平野を眺めているように見えるが、この時は雲がかかって平野部は見えなかった。
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この後は岩壁の基部をトラバースするように道が続く。
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不動岩手前のパイプ足場で作られた橋を通過。
この足場板がアルミ製で、雪でツルツル滑って危ないこと危ないこと・・・
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不動岩は夏場はポタポタ水が滴る滝がある場所だが、小さなツララしか見られず拍子抜けした。
その先の桟道は夏場にはイブキジャコウソウが咲く場所であるが、冷たい風が吹き抜けて足早に通過した。

岩場の黒と、霧氷の白。
こんな霊山の冬の光景を見るのは初めてである。
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正に水墨画の世界が広がっていた。
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日枝神社の北側に連なる岩壁の総称を紫明峰と呼んでいる。
その中核に位置する景色が、この天狗岩である。
雪のない時に眺めるとゴリラの様な形に見えていたが、雪化粧すると、鬼気とした日本的な妖怪の姿に見えるので不思議だった。
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道が細く、あまり休憩できる広い場所もなかったので、ここまでノンストップで歩いてきたが、南に下った鞍部に位置する日枝神社の中で休憩をとることにした。
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マスさんお手製のキッシュをご馳走になり、人心地つく。
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霊山寺跡はカラマツ林の中で風情がないので行かず、霊山の最高点:東物見岩を目指す。
一般コースに出ると、やっと雪に足跡が付いていた。
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東物見岩から越えてきた紫明峰方面を見る。
手前に二ツ岩が見えているが、北側の岩塔の上に登ることは可能。
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ここからは各所に点在する岩場巡りとなる。
学問岩を経て蟻の戸渡りに着く。
岩が乾いている時なら楽に岩稜を歩けるが、積雪で滑り易いのでこれ以上先には行かなかった。
上空は雪雲が流れているけど、仙台湾と仙台港方面が一望できた。
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鹿狼山(右)の後方に、牡鹿半島の金華山が浮かんで見える。
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東には宮城・福島県境に位置する、ブナの森が広がる手倉山が見えている。
右手の沼は宇田川湖
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更に東に登山道を辿ると猿跳岩の看板を見る。
そこを鋭角的に西に辿れば、岩の切れ目に金属製の橋を渡した猿跳岩に着く。
雪が付いているので岩場の上には登れない。

その岩場の上が望洋台で、南側にも展望が開け、口太山(左)と木幡山が見えていた。
ちょうどこの日が12月の第一日曜日なので、木幡山では冬の風物詩:木幡の幡祭りが開催されているであろう。
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お昼は南に少し下がった五百羅漢岩でとった。
この岩場は一般コースから簡単な岩登りをしないと辿りつかないので、毎度静かなひと時が味わえる。
おまけに冬の季節風も稜線上より強くないし、南側の展望が素晴らしいのでお気に入りの場所となっている。
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南東側にある弁天岩に登っている登山者を発見。
見ているだけで恐ろしく感じる。
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五百羅漢岩の下り。
登りのルートは危険だったので、より足場と手がかりが多いルートを下った。
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雪で滑り易い坂を下って日暮岩に着く。
ここから見た弁天岩。霧氷で白くなった山肌が美しい。
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午後から日の光が差し込むようになり、木々に着氷していた霧氷が輝きだした。
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天狗相撲取場の手前から国司沢の岩峰を望む。
天気が良いときだと後方に安達太良山が見えるが、この日は終日雪雲に隠れていた。
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真っ白な霧氷と青空のコントラストが素晴らしい。
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次の分岐を左折して護摩壇方面に向う。
その途中から左に分岐する道があるが、これが国司沢岩へ至る道である。
道の終点から国司沢岩を見下ろす。
霊山随一の鎖場の着いた難易度の高い岩塔であるが、そこに取り付くまでの道筋は迷路の様で、先達がいない場合はたどり着けないと思う。
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岩塔を見ただけで雪がたっぷり付いていて、とても登るのは無理と判断できた。

分岐まで戻って護摩壇方面に左折。
直ぐに子不知 親不知の岩棚を通過する。

その先に高度感抜群の護摩壇がある。
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西風が強く、写真を撮っている僅かな時間でも震えるほど寒くなる。
しかし高度感抜群の岩壁の上段に位置するので、展望は最高である。
南西には女神山が同定できた。
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北西側には伊達市街地の後に半田山が見えていた。
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護摩壇から少し登ると国司館跡に出る。
それから更に登ると霊山城跡に着く。
ここが実質的な霊山の山頂だと思って間違いあるまい。
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霊山城跡で休憩後、一番高い西物見岩から越えてきた紫明峰を眺める。
午前中より大分、霧氷は落ちてしまった。
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北側の日枝神社まで下り、霊山閣跡方面に直進する。
下りの途中でキツネが目の前から逃げていった。

天狗岩の下を通って下山路は続く。
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かなり下った地点で湧水の里へ山腹をトラバースする道に出会う。
ここを右折ると、意外に呆気なく紫明峰分岐まで着いてしまった。

午前中より湿った雪の中を湧水の里を目指して下る
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車に戻った後、子どもの村まで開通している林道:大霊山線を走行してみる事にした。
霊山の中腹を縫うように作られた車道なので、きっと護摩壇や国司沢岩も見えるんじゃないかと期待する。

思惑通り国司沢岩の大迫力の岩場が見れた。
上部からだと、こんなに高度差がある大きな岩場とは分からなかったのである。
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そこから少し南下すると、今度は国司沢岩と護摩壇が一緒に眺められる地点を見つけた。
まるで妙義山とも見間違えるような凄い山容をしている。
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左側の護摩壇をアップ。
上部の白い筋状のところが護摩壇である。
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結局、最初に目論んだ岩場は登れなかったが、今まで霧氷に彩られた霊山は見たことがなかったので、その点では霊山の新たな一面に触れた山旅であった。

GPS軌跡です。

ryouzen


動画です。