夜からの雪で朝起きてみると道路はカリカリに凍結していた。
天皇誕生日の休日は午後から用事があったし、道の状況も良くないので、近場の蕃山に登ろうと山支度をして出かけた。

【 12/23 蕃山(356m)、西風蕃山(373m)から萱ヶ崎山(379m) 宮城・仙台市近郊 】 
大梅寺駐車場~大梅寺~208m三角点峰~蕃山(開山堂)~鉄塔~西風蕃山~山岸コース展望台~百年森~白滝不動尊分岐~萱ヶ崎山~違法伐採現場~綱木川源流~荒れたブル道~作業小屋~松倉~(県道仙台村田線を歩いて)大梅寺駐車場

午前10時、大梅寺駐車場から登り始める。
蕃山に登るのは圧倒的に冬場が多い。冬型の気圧配置で奥羽山脈が荒れている時でも、仙台駅から直線距離で5kmしか離れていないこの山は晴天率が高く、手軽に陽だまりハイクを楽しめるからだ。

大梅寺の参道を登る。
石段の両脇に沢山のユニークな顔をした石仏が並んでいる。
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大梅寺の境内にある樹齢320年のヒヨクヒバ
折からの強風に雪煙が舞う。
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登山口の脇に祀られた石仏の横を通り抜けて山に入る。
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山中の積雪は10cm程度。
風が強いため木々に着雪した雪はほとんど落ちていて、想像していた綺麗な雪景色とはなっていなかった。
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最近は雪や雨の日々が続き、雪の下は泥で滑り易くなっていた。
もう少し積雪があった方が歩きやすいのだが・・・

栗生コースが右手から合流すると、その先に太白山が眺められる場所がある。
光る海をバックにこんもりとした山容の太白山が見えていた。
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そこから直ぐに南東方面の展望が開けた蕃山の山頂に着く。
鳥居が震災で倒れたままの開山堂
ここには大梅寺を建立した雲居禅師と禅師を助けたマタギの元祖、磐司・磐三郎兄弟の像が安置されている。
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南東側には太白団地と南仙台方面が見える。
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開山堂から西風蕃山までは少しだけ縦走気分が楽しめるコース
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マイクロウェーブアンテナが傍に建つ西風蕃山の山頂
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雰囲気の良くない山頂では休む人は皆無に近く、北側にある山岸コースの展望台へ景色を求めて下る。
最近は木々が伸びて視界が遮られるようになったが、それでもこの展望台は蕃山随一の展望が開けている。

折よく泉ヶ岳が雲を払って見えていた。
山頂付近は雪煙が見えているので強風下にあるのだろう。
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北側には笹倉山(左)と、ぽこぽこした山容が目立つ七ツ森が見える。
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愛子大仏の姿を探したらようやく見つけた。
写真では小さく見えるが、近くで見るとかなり大きな大仏である。
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東には仙台市街地の奥に、牡鹿半島の金華山が遠望できた。
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再びマイクロウェーブアンテナのある西風蕃山の山頂直下を通過して、蕃山山域の最高峰:萱ヶ崎山を目指す。
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モミの巨木が立ち並ぶ百年森。
倒木が目立つようになってきたが、林床には若木が更新してきている。
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熊の爪痕があるブナの木を見て。
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2パーティを追い越して萱ヶ崎山の山頂に着いた。
そのパーティは各々スノーシューやカンジキを持参していたのが面白かった。
西の戸神山辺りまで行けば、カンジキを使えるほど積雪があったかもしれない。

標高が高い萱ヶ崎山は風の通り道になっていて、冷たい風が吹き抜けていた。
送電線の巡視路の奥に青麻山が見える。
しかし蔵王連峰や二口山塊の山々は真っ白な雪雲に覆われて見えない。
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そろそろお昼の時間になったが、風が強く寒いので、送電線の巡視路を下がって、地元新聞でも取り上げられていた違法伐採の現場付近で昼食をとる事にした。
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しかし綱木川の沢床の手前まで下っていくと、違法伐採された木々が沢筋に放置されていて、送電線の巡視路を寸断している。
累々と積み重なった伐採木を越えて行くのは不可能なので、いったん登り返し、左手から藪漕ぎで迂回した。
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一旦巡視路に出るが、その先の斜面に作られたブル道の法面が降りられない。
無造作に重機で削り取ったため、そこは高さ5m以上の土壁になっていた。

またまた大きく北側に藪漕ぎで迂回して、やっと荒れたブル道に降り立った。
そこは以前は深い森に覆われた静謐空間であったが、今は凄惨な死んだ山の風景に変わっている。
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ここまで読んできて何の事か分からない方も多いと思うので、簡単に違法伐採の経緯をまとめたい。

蕃山周辺は緑地環境保全地域に指定されていて、その保護地域は1942ヘクタールある。
その内約180ヘクタールが仙台市青葉区に本社がある某建設会社が所有していた。
某建設会社は2012年7月に、森林法に基づき仙台市に天然更新を目的とした伐採申請を行った。
仙台市はその内6ヘクタールに限って認可し、同社は13年4月に作業を開始、認可せれている面積を大いに上回る約19ヘクタールの樹木を伐採し、重機で山腹を削り、最大幅10mのブル道を西風蕃山の山頂付近まで延々と造成した。
この違法伐採は仙台市内の自然保護団体『蕃山21の会』が13年6月に現場を確認し、県に通報して発覚した。

仙台市は翌7月、森林法違反で同社に伐採中止を始動。
12月には1ヘクタール当たり1700本の植栽を通じて現状回復するように命じた。
しかし同社はその命令に応じず、宮城県警生活環境課と大河原署は14年10月30日、森林法違反の疑いで、この会社の社長を逮捕した。しかし14年12月18日に仙台地検はこの社長を不起訴処分とした。

と言った経緯のある場所であるが、不起訴処分になった理由は明らかにされていない。
但し、起訴されなかったので会社名や氏名はこのブログには掲示しない。

実際現場を見てみると、森林の天然更新目的で、ここまで凄惨な山の破壊はしない。
伐採木は無残に谷に押し出され、迷路のように入り組んだブル道を切り開くために出た土砂は何処にも見当たらない。明らかに震災需要をまかなうために土砂が搬出されたとしか見えない状態であった。

よく林道にゴミの不法投棄は罰金1千万円と記載されているが、この所業はゴミの不法投棄より遥かに悪質なことに見える。
今後、削り取られた山腹の土壁が崩落し、綱木川に土砂が流入して、大雨の時に下流に土石流が発生する可能性も否定できないし、水田への泥水の流入もあり得る。
その対策のために数億円をかけて砂防ダムを作るのであろうか?
森林法とは正にザル法としか言わざるを得ないと思う。


この伐採現場から松倉へ至るルート探しは下手な藪漕ぎより大変であった。
ブル道は縦横無尽に張り巡らされ、どれが下に下る道か分からない。
沢に入れば伐採木に埋め尽くされていて進めない。
茨の斜面を登ったり下りたりして、やっと下山ルートを見つけた。
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下れる目途がついたところで昼食にありつけた。
マスさんお手製のパン『チョコのスノーボールとスターリース』。
谷沿いなので風が弱く、冬鳥の群れを眺めながら美味しくいただいた。
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荒れた作業道を下っていくと正面に太白山の姿が見えていた。
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松倉集落のコンビニが見えてくると県道仙台村田線も近い。
県道に出てから、車まで約30分ほど歩いた。

しかしあの自然豊かな蕃山が大規模に破壊さえていて、何か居た堪れない気持ちになってしまった。

今回はGPSを持参していなかったので、地図に青線で軌跡を書き込みました。
緑の線の中が大まかな違法伐採の現場です。

banzan


動画です。