会津朝日岳に登ったおり、南会津の田代山から帝釈山のなだらかな稜線が見えていて、2002年以来しばらくぶりに登ってみたくなった。
田代山山頂に広がる高層湿原には、今どんな花が咲いているであろうか?
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深夜2時10分に自宅を出発。東北道を一路南下する。

今回ご一緒するのはmaronnさん、うめさん、そしてマスさんの3名。

那須から下郷町に抜ける途中、綺麗な朝焼けが見えた。
最近は未明に家を出る事が多いので、朝日を見る機会が増えている。
この猛暑の時期の山歩きは、まだ涼しいうちに登り始めるのが鉄則なので、どうしてもアプローチの最中に朝日を見ることになるのだ。
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中山峠を抜け、旧舘岩村の中心街より左折して湯ノ花温泉方面に向かう。
茅葺屋根の民家が残る水引集落を過ぎると、未舗装路の田代スーパー林道に入った。
2002年に登った時は、スーパー林道の整備状態が極めて悪く、猿倉登山口まで苦労して走行した記憶が残っているが、現在は谷側にガードレールも設置され、採石が引かれて走行しやすくなった。

朝6時40分、奥の猿倉登山口に着く。
運よく車2台分の駐車スペースが開いていた。
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駐車場で登山準備をしていると、栃木側から県境を越えて来た普通車があった。
現在は普通車の県境越えも可能になったらしい。
この林道は昭和48年に開通したと言われる。(猿倉からの登山道も同時に整備された。
それ以前、会津最奥の田代山に登る場合は取り付きまで丸二日を要したとか。
便利な時代になったものである。


朝7時前、そして標高1430mの高さにも関わらず気温は27度。
この日も暑さとの戦いが予想された。

登り始めて直ぐにオクラ沢を渡るが、沢筋にはセンジュガンピが沢山咲いていた。
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登山道は整備抜群であるが、如何せん階段が多く設置されているので、暑さとともに登りは辛い。
急登の中、最初はブナ林、その後はタケカンバとオオシラビソの混合林と植生が変わる。
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南東側に女峰山が見え隠れする頃、傾斜が緩むと小田代に着く。
キンコウカやイワショウブが咲いていて休憩に適した場所だ。
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小さな湿原であるが、北側の展望が少しだけ開けている。
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小田代から一気の急登で田代山を目指す。
そして意外に呆気なく山頂の高層湿原末端部に飛び出した。
ここから見る日光連山は写真で見るより遥かに近い印象である。
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下田代と呼ばれる広大な湿原を西に歩いて行く。
この木道は一方通行になっていて、反時計回りに周回できる。
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正面に会津駒ヶ岳が見えて、田代山を代表する景観が眼前に展開する。
ここで展望がないと、この山の魅力は半減する感じがする。
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江戸時代の会津風土記の『山中ニ広キ原アリ、其ノ中ニ田畝ノ遺形アリ・・・』と記されている。
標高1971mの北東に少し傾斜した、台形状の山頂湿原の広さは25.19ヘクタール。
東北には秋田駒ヶ岳北側の大白森が似た形状の山だが、関東と東北の県境に位置する場所故に、この山は沢山の登山者が訪れる人気の山となっている。
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田代山湿原で最大の池塘:弘法池
昔はここで雨乞いの儀式が行われていた。
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最高点ではないが、田代山山頂の標識が弘法池の傍に建っている。
実際の三角点は弘法池の北東側にあるが、そこまでは道が整備されていないので、三角点を見ることはできない。
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この場所は木道が広く設置されているので、腰を下ろして休憩した。
この日は黄金色に色ずくキンコウカの群落に期待していたが、まだ咲きはじめで僅かしか咲いていない。
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それでもいろいろな花が咲いているので、マクロレンズに交換して撮影してみた。
サワランはかなりな数が咲いていて、写真に撮り易い。
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タテヤマリンドウは今が盛り。
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モウセンゴケも随所に生えている。
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今回は風が強くなかったので、小さなモウセンゴケの花の写真も撮れた。
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この湿原はチングルマの大群落が見られるが、既に花期は終わり、穂がでていた。
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盛夏の花:イワショウブも咲き誇っている。
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一通り花の写真を撮っていると、マスさんがお手製のケーキマンゴーのムース バナナソテー添えを切り分けてくれた。
上に乗ってるのがマンゴーゼリー
マンゴームースでスポンジケーキとカラメルがけしたバナナをはさんである。
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広大な湿原を吹き抜ける爽やかな風に吹かれて出発。
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ワタスゲの穂が僅かに残る中田代を登っていく。
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湿原上部の上田代まで登ると、南会津の山々の景色が広がる
中景に枯木山、その背後の尖った山が荒海山、遠景に那須連峰が霞む。
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こんな開けた風景を眺めていると、とても穏やかな気持ちになってくる。
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湿原からオオシラビソやコメツガの森に入ると、すぐに弘法大師堂(避難小屋)に着く。
この地点が田代山の最高点1971mになる。
この南側には有料の立派なトイレも設置された。
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内部には1912年に弘法大師像が祀られている。
田代山の開山は1912年7月30日、真言宗の高僧が剛力とともに登山道のない田代山に登り、この弘法大師像を山頂に祀ったのが始まりとされている。
この時、湯ノ花地区の大山時澄が山頂に大師堂を建立、現在の弘法大師堂の起源となっている。

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この大師堂から帝釈山までは標高70mを急降して、160mを登り返す1時間の行程。
コメツガの原生林に抱かれた黒木の森を進む
林床にはオサバグサの群落。花期は完全に終わり、シダに似た葉っぱでそれと分かった。
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でも日当たりの良い場所にはゴゼンタチバナが群生していた。
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イチヤクソウはほとんど蕾だったが、一株だけ咲いているのを見つけた。
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帝釈山への急登、岩場があるところから振り返ると田代山が見えていた、
西側から見ると、山頂に広大な湿原を載せた山とはとても思えない。
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意外に沢山の登山者が休憩していた帝釈山の山頂
人が多いので三脚を立てて動画を撮影するのは躊躇した。
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微妙に低木が視界を遮っているため、少しづつ場所を移動しながら周囲に聳える山々を撮影する。

一応、南東側から時計回りに山名を紹介。
先ずは至近距離に見える日光連山
女峰山、大真名子・小真名子山、男体山、太郎山が同定できる。
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日光白根山、根名草山、馬坂峠の対岸にある台倉高山、そして黒岩山。
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上州武尊山は確認できたが、至仏山は微妙に木々が邪魔して上手く撮影できなかった。

その左手には燧ケ岳が近い。
カシバードで分かったが、撮影した別の写真を見ると苗場山も写っていた。
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見紛うことのない平ヶ岳
その左手奥には巻機山も見えている。
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会津朝日岳とは別な角度から眺めた越後三山の中ノ岳と越後駒ヶ岳
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会津駒ヶ岳、大戸沢岳、三岩岳、窓明山、丸山岳、そして一番奥に会津朝日岳の駒・朝日山群が一望できる。
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会津朝日岳のアップ。
この界隈の山の中では異色の険しい山だ。
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日光連山を眺めながら食事をしていると、馬坂峠から20名を超える団体が登ってきた。
急に騒がしくなってきたので、急いで退散し往路を戻る。

田代山までの区間で沢山の登山者とスライドした。
かなり気温も上がっているので、皆さん暑さに参った様子。

弘法大師堂前でトイレ休憩して、再び山上の楽園の様な湿原に飛び出す。
朝方より空気が澄んできて博士山や志津倉山、御神楽岳が見えてきた。
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反時計回りだと下りの木道は1本のみなので、ゆっくり花の撮影ができない。
上田代から弘法大師堂を振り返る。
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あまり数は多くなかったがツルコケモモが咲いていた。
ヒメシャクナゲの花は終わっていたようだ。
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コバイケイソウの花は完全に終わり。
今年は満開だったようで、花期に訪れたなら最高の風景が見られたと思う。

ニッコウキスゲはぽつぽつと咲いていただけ。花の絶対量は少ない。
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特徴的な凸凹した山容をした七ガ岳を見ながら湿原を下る。
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ある場所に白いタテヤマリンドウが固まって咲いていた。
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湿原の末端までくると、天国の様だった天空の楽園の散策は終わり。
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この後は小田代で写真休憩をした以外は、一気に登山口に下った。

帰路は前沢曲家集落を見学したり、南郷村のきらら289で入浴したりして、旅行気分を楽しみながら帰仙した。
遠回りしたのは南郷トマトを購入したかったからだが、時間が遅く全ての直売所で売り切れ。
それだけが残念な山旅であった。
でもここまで天気が良く、展望も楽しめたので遠出した甲斐があった。


GPS軌跡は一般コースのため、今回はアップしません。


動画です。