この日、本当は翁山に鍋越峠から登るつもりだった。
しかし天気の読みを誤り、前日の雨の影響が残って峠付近から吹越山を見ても雲に覆われている。
おそらくお昼頃まで晴れないと思われたので、山形県尾花沢市側に峠を越えて、未踏の大平山(おおひらやま)に河岸を変えた。地図など一切持っていないが、昨年秋に御堂森に登った折、大平林道の入口に標識があったのを覚えていて、一本道の登山道なので、何とかなると思っていた。

【 10/14 大平山(814m)と岩円堂山(453m) 山形・船形連峰 】
●大平山:ワラビ栽培地駐車スペース~林道分岐~大平山登山口~展望所~大平山(往復)
●岩円堂山:ヤゴすず~滝ノ沢林道分岐~登山道入口~岩円堂様~古峰(こぶはら)神社~山頂~大平石切場跡~大平林道登山口~ヤゴすず

昨年に引き続き細野集落に着く。
朧気川に沿った平野部の奥に端正な三角形の山容が目立つ大平山が望めた。
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細野の集落を抜け、田んぼの中の道を南下すると、太平山の見覚えのある道標を見つけた。
昨年無かった別な看板も設置されている。
この分岐を右へ。狭い大平林道を登っていく。
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3か所ある林道の分岐の全てに看板が立っていて、迷わず登山口へ行ける。
林道は未舗装路であるが、急坂の場所は簡易舗装がされていて、洗掘されている箇所がなく走行し易い。しかし登山口へ至る最後の分岐の先は雨で泥濘になった急カーブがあるため、分岐を直進して少し先のワラビ栽培地の広い駐車スペースに車を停めた。
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ワラビ栽培地からは鳥海山が霞んで見えている。
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駐車地点の標高が470m。山頂の標高が814mだから標高差は344m。
車で中腹まで登ってしまったので、1時間程度で登れる山である。

林道の分岐まで戻って右折。
急な林道を歩くと僅かな距離で車2台ほど駐車できる広場に着く。
ここが大平山の登山口。登山届のボックスも備えられている。
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最初は暗いスギ林の中を登る。
登山道は整備されていて歩きやすい。
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雑木林になると方向を西に変えて、ロープが設置された急坂の登りになる。
あまり登山者が多くない山なので、足場のステップが薄く、下りではスリップに注意が必要な道である。
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この急坂は標高差で150mほど続くが、距離が短いので時間はかからない。
大平山の北尾根に達すると傾斜が緩み、ブナの森になっていった。

途中、尾花沢市が一望できる展望所がある。
左上に鳥海山がまだ薄く見えていた。
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眼下に細野地区が一望できる。翁山はこの時点でも雲がかかっていた。
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細野地区では村おこし事業として毎年5月に「高い山運開き&山菜まつり」と称する大平山の山開きを実施している。そのイベントに合わせてこの山に登るのも一興だ。

大平山の見どころは展望所から山頂までの道筋に広がるブナの森にあると行っても良い。
この山は全山民有地であるが、水源保護の観点からブナの森が保存されていると聞いた。
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山頂直下のブナは少し黄葉が始まっている。
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意外に呆気なく山頂に到着。
地元で万年堂と呼ばれている石祠が祀られている。
山頂標識は最近整備されたらしい。
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山頂からの展望は南側180度。
晴れていれば甑岳や沢渡黒伏、白森、そして朝日連峰のパノラマが広がるらしいが、この日は生憎雲が湧き上がってきて、村山市方面の平野部しか見えなかった。
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東には辛うじて御堂森の姿が確認できる。
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南に連なる尾根も紅葉が始まっていた。
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帰宅後にネットで調べて知ったが、山頂直下に
獅子岩と烏帽子岩と言う岩塔があったらしいが、全然気がつかなかった。
三角点に腰掛けて、村山盆地を見下ろしながら涼しい風に吹かれる。
湿気が多く汗ばんだ身体が急に冷えてきたので、往路を戻った。

展望所まで下ると、金山町からいらしたと言う単独のベテラン登山家の方と出会う。
こんな寂峰で誰かに会うとは思ってもいなかったので、お互いに驚いた。
山談義に花が咲いて30分も話し込んでしまった。

下りの途中、生え始めのナメコを見つける。
キノコはこれしか生えていなかった。
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大平山だけじゃ全然物足りないので、大平林道入口に看板があった岩円堂山トレッキングコースなる初めて存在を知ったハイキングコースを歩いてみることにした。
看板に岩円堂様の標記があり、ちょっとした信仰の山のようで興味が湧く。

一応周回コースが拓かれているようなので、麓のヤゴすずと言われる場所に車を停めて歩きだした。
ヤゴすずとは何を指すのかと思ったら、小沢の対岸に清水が湧く場所があり、この湧き水の事を読んでいるようだ。
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農道を北に向かい、十字路を左折して滝ノ沢林道に入る。
滝ノ沢に沿って上流に進むと、林道が二手に分かれるので、この分岐も左折。
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林道が右カーブする地点を直進して山道に入る。
小沢を渡ってから暗いスギ林の中を進む。
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スギ林を抜けると東側の尾根に向かってジグザグに登っていく。
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尾根に出る直前に岩円堂様と呼ばれる天然の岩洞があった。
小さな山の割に岩洞の規模は比較的大きい。
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この奥の院にはご神体が祀られている。
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この先、ロープが設置された急坂を一登りするとアカマツの巨木が立ち並ぶヤセ尾根に出た。
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木々の間から西に葉山の姿が確認できる。
アカマツの尾根を登ると山頂直下の広場に、明治22年地区の有力者が農業、火防の神として祠を建立された古峰(こぶはら)神社に着く。
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社殿に安全祈願のお参りをする。
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ベンチに腰掛けて細野地区を眺めながら昼食をとった。
お昼を過ぎて漸く翁山の山頂が姿を現す。
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カップ麺を食べてのんびり休んでいると、大平山の山中で出会った金山の登山家の方が、大平林道登山口から登ってきた。
神室連峰の山語りに盛り上がって、結局1時間も滞在してしまった(笑)

岩円堂様を見に行く男性と分かれて、独りで大平林道登山口へ周回する。
453mの岩円堂山山頂は岩稜になっていて、山名板の類は一切ない。
枯れたアカマツの枝越しに御堂森が見えていた。
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大平林道へ下る道はあまり整備状態が良くない。
赤テープのマーキングを追って下る。

かなり下ると大平石切場跡に着く。
大谷石の岩質に似て加工し易いので、
石垣、石蔵、神社鳥居に使用され、羽黒山の参道にも使われたと言われている。
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スギ林を下って行くと、大平林道登山口に着いた。
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ここから約800m林道を下ると、車を停めたヤゴすずに着く。
途中、収穫が終わった蕎麦畑の奥に、尖った山容の岩円堂山と、奥に大平山が並んで見えていた。
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北側には神室連峰南端の杢蔵山と八森山が望めた。
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帰路、今まで立ち寄った事がなかった徳良湖を見てから、この日登れなかった翁山の写真を撮る。
麓から見た翁山は紅葉が盛りだったようで、登れなくて残念だった。
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でも未踏の二山を歩けたので、その点では満足できた。
私的にはやまがた百名山に選定されている大平山より、岩円堂山の方が里山の良さを凝縮しているようで気に行っている。

GPS軌跡です。
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今回は動画は撮影しませんでした。