この日も蔵王に行く予定だったが、週末ごとに荒れた天気になるサイクルは変わらないため、蔵王登山は再び延期、鳥海山の麓にある二ノ滝を見に行くことにした。

【 2╱17 二ノ滝と玉簾の滝 山形・鳥海山 】
●二ノ滝:車道通行止めゲート~一ノ滝鳥居~二ノ滝(往復)
●玉簾の滝:駐車場~玉簾の滝(往復)

鳥海山の外輪山や千畳ヶ原を源に持つ、南ノコマイと呼ばれる川の中流に二ノ滝がかかっている。
夏場は万助道や二ノ滝コースの登山の起点になるところだが、冬場は胴腹滝すぐ上で車道が冬季閉鎖になっていて、雪に埋もれた車道を約4km歩かないと二ノ滝に着かない。

二ノ滝は二条の滝で夏場は水量が多く、豪快に流れ落ちる滝である。
しかし厳冬期には見事な氷柱が出来ることで近年訪れる方が増えているようだ。
私も予てから見たいと思っていたので、ちょうど良い機会と思って出かけてみた。
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今回ご一緒したのはモンキィさんとtammyさんのお二人。
マスさんは用事があって来れなかった。

車道の冬季閉鎖ゲート前には沢山の車が縦列駐車していた。
沢山の登山者が先行しているため、カンジキを使わずツボ足で充分歩ける。
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少し歩くと広範囲に伐採された場所に出る。
晴れていれば正面左手に笙ヶ岳が見えるはずだが、上部は雪雲に覆われて見えない。
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トレースは林道をショートカットしていた。
多少ツボ足での踏み抜きはあったけど、まだカンジキなしで歩ける。
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途中、某山岳会の方々とスライドする。
前夜、一ノ滝の東屋のところでキャンプしたらしい。
二ノ滝の氷瀑の出来は近年稀に見るほど良い、とお聞きし、期待がより高まった。
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林道が逆コの字形に迂回する地点をショートカット。
ナラ枯れの立木が多く、少し殺伐とした森を通過する。
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再び、林道に合流しドンドン奥を目指して歩く。
二ノ滝の氷柱探勝会が前週、遊佐町主催で行われたようで、林道は前もってスノーモービルで道を踏み固めたらしい。
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一ノ滝の鳥居に到着。
今年は町場では少雪であるが、山の上の方はほぼ例年並みの積雪量とか。
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某山岳会の方々が宴会を楽しんだ、滝見庵と呼ばれる東屋の中に入ってみる。
なるほど風が避けられて避難小屋の中に入っている感じだった。
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ここから先は植生がブナ林に変わる。
冬の二ノ滝は危険だから、インストラクター無しで事故等が発生しても町として責任は取れない云々、と記載された看板が立っている。インストラクターを何処に依頼すれば良いかネット検索してみても情報は得られなかった。
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この看板から先は急な樹林帯のトラバースになる。
ここも踏み固められたトレースがあり、ツボ足で歩けた。
まったくトレースがない場合、ラッセルにかなりな時間と体力を要する場所と感じた。
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雪が降る中、南ノコマイ左岸の山腹が見えていた。
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氷柱見学のトレッキングツアーと思われる団体さんと、狭いトラバース道の途中ですれ違う。
皆さんアトラスの全く同じスノーシューを履いていたので、モンベル関連のツアーだろうか?

そして二ノ滝神社に到着。
社殿の中には入ることができない。
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神社から少し下って左手を見ると、夏場とは全く異なる見事な氷瀑の二ノ滝が見えた。
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この時期は滝のそばまで立入できる。
左側の氷柱の奥を見るとこんな感じ。
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ほぼ正面から見る。
二ノ滝の落差は20m、もしくは25mと言われているが、雪の上に上がって上げ底になっている位置から見ているため、そんなに高さは感じない。
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右手の滝の右側に回り込む。
この氷柱は前後に奥行きがあり、間近に見ると迫力満点だった。
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氷柱を真横から見てみる。
注意深く見ていると、左手の馬の背状の氷柱の内部に、かなりな量の水が流れているのが分かった。
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滴を浴びながら滝の裏側を見てみる。
見ている間にもバキバキ音がして、氷塊が落ちていた。
濡れるし危ないので、とても氷柱の中に入るなんてできない。
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一段登った位置から二ノ滝の右側の滝を見てみる。
人が立つと大きさが分かる。
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少し遠ざかった位置から見る。
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滝の下の広場で休憩。
tammyさんお手製のチョコレートケーキをいただく。
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この日の酒田市の気温予想は7度。
しかし谷底は結構寒く、身体が冷えてしまうので早々と退散した。

帰りは休憩を取らず林道を下る。
途中、昨年歩いた月山森へ行く途中の、切り開きの白い斜面が見えていた。
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伐採地上部から日本海を望む。
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この日、笙ヶ岳はこれ以上見えなかった。
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車に乗り込む前に胴腹滝を見学する。
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山腹に二条の湧き水の滝が出ている。
手前は不動尊。
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この水を汲みにくる地元の方が多いようだ。
左の滝の水は冷たく、右の滝の水はまろやかとか。
手前のホースは水汲み用の蛇口への導水管。
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次に、酒田市升田にある玉簾の滝を見に行く。
この滝は落差65mと山形県随一の滝で、厳冬期には氷瀑にあるらしい。
厳冬期の土日祝日には駐車場へ行く車道と、駐車場が除雪され一般観光客にも人気のスポットとか。

約22km走行して玉簾の滝の駐車場に着く。
滝の参道入口に立つ看板。
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踏み固めされた道は結構凸凹していて歩き難い。
観光客と何度もすれ違いながら滝を目指す。
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橋を二度渡る。そこから見た冬の沢筋
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滝手前に建つ



にお参り。
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神社を左から回り込むと、正面に玉簾の滝が見えて来た。
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期待に反して滝身は氷結しておらず流れが見える。
しかし左右の岩壁の氷柱が見事だった。
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調べてみるとかつては1本の氷瀑になった年もあったそうだが、暖冬気味の現在は流れが完全に凍ることは滅多にないらしい。

しかし雪を踏んで滝の直近まで行けたので、普段見られない大迫力の姿が眼前に広がり、それを見ただけでも満足できた。
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帰りは蕨岡地区にあるモンキィさんご推薦のらーめん店ちどりに立ち寄る。
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中華そば(並)600円を注文。
鶏だしの温和な昔ながらの中華そばと行った感じで、とても美味しかった。
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日帰り温泉のゆりんこで汗を流してから帰る。
山には登れなかったけど、あまり見ることができない冬ならではの光景に出会え、よい一日だった。

GPS軌跡。
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