最初は黒伏山に登る予定だった。
しかし村山野川の渡渉点まで下がってみると、雪解けで増水が激しく、長靴を履いていても渡れる状態にない事が渡渉にチャレンジしてから分かった。
以前ゴールデンウィークに渡った時以上に増水しているため、諦めて御所山方面に河岸を変えた。

【 5/18 楠峰(1210m) 山形・御所山 】
柳沢林道入口から800m地点~柳沢小屋~観音寺コース登山口~山の王~粟畑~楠峰仙台カゴ~粟畑~白髪山~1245m峰~山の王~観音寺コース登山口~柳沢小屋~柳沢林道入口から800m地点

関山峠の宮城県側は雲が多い天気だったが、山形県側に入ると晴れていて真っ白な月山が望めた。
原宿から黒伏高原を目指す。
黒伏山が目映い新緑をまとって凛々しく聳えていた。
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冒頭にも記したが、当初は黒伏山を周回するつもりで、黒伏高原ジャングルジャングルスキー場向かいの駐車場に車を停め、村山野川まで下っていった。
未だ仮設の橋を架けていない事は承知の上で、渡渉できるだろうと軽く考えていたのだが、長靴で少し渡り始めたら水の流れが激しく、渡渉は不可能と判断。他の場所も渡渉できず諦めて車に戻った。
この日はマスさんは用事があり来れなかった。村山野川の渡渉に懸念を持っていたため、誰も誘わず単独できたのは正解だった。

折角ここまで来たのだから御所山と未踏の楠峰に行ってみようと、柳沢林道に入る。
しかし林道入口から1km先で林道の片側1/3の範囲に残雪があり、路肩の弱い斜面ギリギリの所を走行しないと先に進めない。最低地上高のあるSRV車や、車幅の狭い四駆の軽トラなら行けるが普通車ではスタックしてしまう可能性が高いため、200mバックしてカーブの広い路肩に車を停めた。
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地図を見ると観音寺コース登山口まで、ここから4kmの林道歩きを強いられる。
バックした地点の林道の様子。
この先、断続的に林道に雪が残り、路肩に張り出した木にサイドを擦りながら走行しなければならない場所もあった。車で無理に乗り入れず正解だった。
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柳沢小屋を通過する。
小屋から先の林道は雪が全然融けておらず、6月初旬に林道が整備されるまで車の進入は無理だろう。
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車が走ってこない林道歩きは意外に快適。
鳥のさえずりを聴いたり、進むごとに山容を変える柴倉山を眺めたりして飽きない。
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冬場にスノーシューやスキーで何回か通過した場所。
今は林道のルートが良く分るが、積雪期には迷いやすいところだ。
そう言えばこの付近に昔、何の樹種か忘れてしまったが、巨木とそこに行く散策路があり、物故されたKataさんの案内で見てきたことがある。現在は枯死したのであろうか?
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車の駐車地点から1時間かかって観音寺コース登山口に到着。
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少し歩いて山神社に安全を願ってお参りする。
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積雪期から残雪期の観音寺コースは、ルートファインディングの要素が非常に多く難しい。
赤テープなどのマーキングも必要最低限しかなく、雪がある時にはほとんど歩かれていない事が分かる。

山の王と呼ばれるアガリコのブナの巨木にご挨拶。
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昨年の10月中旬に歩いたばかりの道なので、こんな登山道が隠れたブナの森でも、どんどん先に歩いて行ける。
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観音寺コースの難しいところは1245m峰の北尾根を巻いて、村山野川の源流域の斜面を通過する場所だ。残雪の急斜面トラバースが続き、滑落に細心の注意が必要になる。
この日は尾根道歩きの予定だったので、ピッケルを持参してこなかったが、これは失敗。
キックステップを深く蹴り込みながら一歩一歩進むため通過に時間がかかる。
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上部からの雪のブロック落下に気をつかいながら沢の源流部を渡り、安全地帯に出てほっとする。
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美しい白い木肌の美人ブナ林を通過。
前にマスさんと歩いた時に、可愛らしいシェルティの子犬を連れた登山者に会ったことを思い出した。
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粟畑手前の最上カゴが望める地点。
ここも滑落注意の急斜面トラバースがある。
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雪原が広がる粟畑に到着。
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粟畑から先に進むとブナの矮生林に出る。
ここから仙台カゴの南側を通過して、楠峰直下まで至る行程がまたルートファインディングを要する。
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若い頃、同時期に御所山に登りに来て、登山道の接続がまったく分からなくなり、右往左往してやっと通過できた場所だ。ここも昨年10月に一部歩いているので、記憶が鮮明で簡単に通過できた。

この一帯のブナは芽吹いたばかり。
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宮城・山形県境の分水嶺に出ると、雪堤の上から目指す楠峰が望める。
意外な近さで簡単に登れそうだ。
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北東には御所山が大きく聳えている。
望遠レンズに変えて山頂を見たら、登っている登山者の姿は見えなかった。
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雪堤の登りの途中から仙台カゴを振り返る。
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楠峰へ登る登山道はない。
しかしあまり薮は濃くないため、急坂ながら木を掴みながら登れば簡単に登れる。
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楠峰山頂に到着。
灌木帯の山頂なので、展望はほぼ360度。
先ず目に飛び込むのは御所山の勇姿だ。
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御所山のアップ。
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眼下の猩々池がブナの樹海の中に浮かぶ。
楠峰の東斜面が崩落してて来た堰止湖で、モリアオガエルの産卵地とも言われる。
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視線を右に振ると、蛇ヶ岳、三峰山、後白髪山が並んでいる。
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この山頂から見る仙台カゴの姿は格好いい。
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西側は白髪山。帰路に立ち寄ることにした。
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柳沢林道歩きと、足場の悪い急斜面トラバースが続いてしまい、時間的に御所山往復は厳しい感じ。
猩々池まで下ってみようかとも考えたが、楠峰北側の雪の急斜面トラバース箇所もあるので、安全を考えて止めにした。

その変わり、仙台カゴにまた登る事にして楠峰の急坂を一気に下る。
仙台カゴへは残雪を利用して近づく。
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登山道に合流し、岩壁直下に出る。
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大きな岩場を右から巻いて登り、岩稜に出る。
登ってきた楠峰と、背後に後白髪山が見渡せた。
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強風で流れが早い雲で光線の状態は目まぐるしく変わる。
仙台カゴの岩稜から白髪山を見る。
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仙台カゴ山頂に到着。
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南御所山縦走コースのごつごつした山並みが続く。
右から最上カゴ、柴倉山、白森、沢渡黒伏、黒伏山。
南御所山縦走コースの名称は順徳天皇が落ち延びた御所伝説がある尾花沢市側から南の、五所信仰が残る山という意味であろう。
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黒伏山のアップ。
今回登れなかったが、秋には来たいと思った。
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沢渡黒伏、白森、柴倉山のアップ。
背後に葉山と薄く月山が見えている。
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北側には荒神山。
背後に翁山も見えている。
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仙台カゴでお昼にする。
この日も静かな貸切の山を楽しめた。

登山道に関係なく、適当に残雪を踏んで粟畑に戻る。
ここから白髪山を目指す。
本来の名称である粟畑の風衝地に出るまで、登山道の接続が分かり難い。
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帰路に通過する予定の1245m峰がある登山道がない尾根を観察する。
積雪期に黒伏高原ジャングルジャングルスキー場からスキーツアーに使われる尾根で、如何に藪漕ぎを最小限に抑えるかが観察の目的であった。
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白髪山頂稜の雪堤から見た御所山と仙台カゴ。
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白髪山山頂からの南側の展望。
面白山や大東岳などの二口山塊の山々が霞む。
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この山頂も今はなきKataさんの思い出の場所だった。
山頂で偶然Kataさんご夫婦に会い、寒風山から関山峠までの道の整備をこれから行うと、熱く語っておられた事が忘れられない。

コーヒーを飲んで山頂で少し休んでから下山の途にかかる。

登山道沿いにはコミヤマカタバミや。
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キクザキイチリンソウが咲いていた。
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登山道を離れ1245m峰へ下るところの藪が少し刈られている。
薮の急坂を少し下ると、二重山稜になった舟底の残雪を歩く。

次の雪堤に乗り換えたら、1245m直下まで安定した雪堤が続いていた。
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最上カゴと荒神山を望む。
一般登山道は下が急斜面になって見えないところをトラバースしている。
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1245m峰で少しだけ藪漕ぎになる。
しかし意識して北斜面に下ると、すぐに残雪に乗れた。
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後は残雪を拾って薮のほとんどないブナの森を一気に下るだけ。
滑落の恐れがある登山道をトラバースするより、遥かに安全で早いルートだった。
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左よりに下って行ったら山の王の近くに出る事ができた。
午前中に歩いた自分のトレースはほとんど消えている。
平なブナの森の中、ルートを見極めながら山神社に戻り、安全に登山ができたことを感謝した。

柳沢林道は気温が上昇して雪が柔らかくなったきて少し歩き難い。
朝方より新緑の青葉の色が濃くなった感じがする。
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林道の脇にピンク色のキクザキイチリンソウを見つけた。
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柳沢小屋の水場で休憩。
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登りで林道周辺の残雪の残りかたを観察していたため、林道のカーブを残雪を利用してかなりショートカットできた。

車に戻り、山仲間の送ってきていたLineのメッセージをチェックする。
風が強い一日だったが、皆さん自分の山を楽しめた様子。

黒伏山を目指す場合、6月初旬の仮設の橋が架かってから計画するのが正しいと感じた。

GPS軌跡(クリックで拡大)
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