最上町の最高気温は30度を超える予報だが、梅雨に入ると渡渉もあり難易度が高くなるため、暑さ対策でスポーツドリンク3本、お湯0.8リットルを用意して小又山の登山道調査に出かけた。

【 6/9 小又山(1367m) 山形・神室連峰 】
西ノ又登山口~山神碑~1111m峰~越途~小又山(往復)

昨年から神室連峰や虎毛山地、そして鬼首周辺の山の調査頻度が高くなっている。
それは2018年8月末の豪雨により、このエリアの山々の林道や登山道があちこちで崩落し、その確認の必要性に迫られていたからだ。
今回調査に行った小又山の西ノ又コースは、西ノ又林道が豪雨でズタズタに寸断されてしまい、その復旧に昨年12月までかかったと聞いている。

西ノ又林道は大型重機や大型ダンプが往来していた経緯もあって、以前より走行しやすくなっていた。
完全に林道が流失したと思われる場所は、ご覧のように護岸工事も行われ、登山者の駐車スペースとしても機能できる広場になっていた。
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林道の最後の約500m程度が昔のままの悪路で、2~3回車のサイドを擦りながら林道終点に着く。
ここは車2台程度しか駐車できない。

今回は西ノ又沢の渡渉があるので長靴を履いて登ることにした。
しかし持参した長靴の内側を見ると中敷きが入っていない。
ありゃ~、5月に山菜採りに出かけた時、中敷きを別な長靴に移したままだったと気がついた。
まあ地面からの突き上げが痛いが、我慢して歩くしかないであろう。

西ノ又沢の渡渉時の水深は約20cm。
無理すれば石飛びで川を渡る事ができる状態のようだ。
写真は渡り切った後に振り返って撮影。
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河原から大きな看板が立つ登山口までの僅かな距離が毎度薮漕ぎになる。
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登山口からは道がはっきりして歩きやすい。
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赤倉又沢を渡る箇所が土砂流入のために分かり難くなっていた。
約30m左岸をたどって、右岸に見える林道の作業道に取りつくが、木に巻かれたテープが脱色していて判別しにくい。
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後は赤倉又沢の右岸を斜高するように登山道は続く。
スギ林の日差しが当たる場所はモミジイチゴの棘と、フキが繁茂していて多少薮っぽかったが、日陰に入ると歩きやすくなる。
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足元にはサワハコベとラショウモンカズラが咲いていた。
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一合目の標識を見るとスギ林を九十九折りで登っていく。
678m峰の鞍部にでると涼しい風が頬を撫でた。

山神様の碑は標高780mの尾根上の広場に祀られている。
以前は小又山が望める好休憩地だったが、今は植林されたカラマツが伸びて展望はほとんど利かない。
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山神様からもきつい樹林帯の登りが続く。

途中、南側の展望が開ける場所に出る。
西ノ又沢対岸に聳える権現山(標高930m)と同じくらいの標高まで登ってきたと分かる。
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樹間越しに小又山が望めた。
40年前に初めてこのコースを歩いた時には、カラマツの植林が行われたばかりで、小又山から火打岳まで神室連峰の険しい山並みを望みながら歩けたが、現在は小又山の姿をはっきりと見れる場所はほとんどない。
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ステップが薄い急坂にはロープが延々と張られている。
下りの時に使ったらとても重宝した。
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ロープ場が終わると火打岳が一望できる場所に出る。
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この位置だと火打岳北峰の鋭峰も重ならないで見えている。
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視線を右に振ると、サンショ平東側のピークと赤岩沢の残雪の縞模様がくっきり見えていた。
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1111m峰に着く。
この界隈はサラサドウダンの木が多いが、今年は花の外れ年のようでほとんど花をつけていない。

南側の槍立ピークを望む。
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エゾハルゼミがすぐそばの見える場所で盛んに鳴いていた。
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東側を望むと、土曜日に登ったばかりの禿岳が見えていた。
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越途までは気持ちいいブナ林の稜線をたどる。
途中一か所だけ雪が残っていた。
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沢筋からブナの森を抜けて吹き上げてくる風が心地よい。
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越途のピークを越えて下りはじめのブナ林の雰囲気が好きだ。
マイズルソウがたくさん咲いている。
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この付近から花が急に増えてくる。
この日一番多く見たのがツバメオモト
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オサバグサも満開。
本ルートでは一か所だけ群生地があるが、越途から大又登山口に下るルートは今が盛りなのであろう。
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越途から小又山までの区間は尾根の南側を巻くようにルートが伸びている。
日当たりが良い場所に出ると、風が吹かず、とても暑い。
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ブナの梢越しに火打岳が見渡せた。
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こんなに大きなツバメオモトは滅多に出会わない。
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小又山山頂まであと標高差220m。
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1177m標高点手前でようやく神室山が見えてきた。
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ムラサキヤシオは残り花。
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灌木帯を抜けると草付きの斜面に出る。
左に槍立、右に権現山。そして遠く翁山と船形連峰が一望できた。
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小又山最後の登り。
暑さに嫌気がさし、少しダレてしまった。
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山頂直下から登ってきた西ノ又沢コースを俯瞰する。
往復約12kmしかないのに、累積標高差1300mもある結構ハードなコースである。
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高松岳の奥に焼石連峰が見えてきた。
高松岳山頂避難小屋の建て替えが予定されているようだが、その動向を注視して行かねばならない。
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高松岳の右手に虎毛山も一望できたが、6月7日の日曜日、虎毛山開山90周年を記念して、関係者が登頂して開山祭を行ったらしい。そのために一時的に崩落個所多数の林道を仮補修しているが、未だに一般登山は禁止になっている。今後は重機を使った大規模な補修工事が行われるそうだ。

山頂肩から神室山を望む。
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そして神室連峰最高峰の小又山に到着。
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火打岳へ続くヤセ尾根の稜線がとても魅惑的に見える。
この区間の調査は来年行う予定だ。
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火打岳と大尺山のアップ。
背後に月山と朝日連峰が見えている。
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赤岩沢を見下ろす。
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小又山の山頂広場は鳥海山側が見えないので、主稜線縦走路を約100mぐらい下ってみる。
この稜線の整備は県が担当しているらしいが、昨年10月に歩いた時と変わらず薮っぽい。

そして台山尾根の背後に鳥海山が端正な姿で望めた。
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鳥海山のアップ。
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新庄平野の西側に聳える弁慶山地の山の狭間に日本海の水平線も見えていた。

山頂に戻ってゆっくり昼食をとる。
今回はマスさんが持たせてくれたケーキ「ケークオ・ペカン」もあり、爽快な景色を眺めながら贅沢な時間を過ごせた。
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帰路、草付きのガレ場を下っていくと単独の男性とスライドした。

登りであまり花の写真を撮らなかったので、帰りは花を眺めながらゆっくり下る。
イワカガミが草付きの登山道脇に咲いている。
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火打岳、禿岳と同じ山域を歩いているので、今年はミツバオウレンの群生を見る機会が多い。
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雪が多い山なので、残雪が消えた場所にはタムシバがまだ健在だった。
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オサバグサは陽の光が当たった時が、純白が際立ちより美しく見える。
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越途手前のブナ林の登り。
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1111m峰の木陰で温かいコーヒーを飲んだ。
気温が高い時には常温の飲み物か、温かい飲み物の方が身体に負担がかからず体力を保持できる。

後は登山口まで一気に急坂を下る。
登りでは分からなかったが、一か所だけ小又山が見える場所を見つけた。
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最後、一合目のスギ林まで下ると、中敷きの入っていない長靴の影響が出て、足裏が非常に痛くなってきた。まあ残すところ750mぐらいの距離を歩けば車に着くので我慢して歩く。

西ノ又沢の渡渉点で汗に濡れた身体を洗いさっぱりする。
1年以上入山禁止になっていたコースなのに、意外に薮が繁茂しておらず、すんなり歩けた事に驚いた。

観光を含めた県をまたいだ移動の自粛要請が解除されるのは6月19日。
それまでは出版社とも協議の上、山の地元にある日帰り温泉やコンビニ、土産店などの使用は控えている状態だ。

GPS軌跡はアップしません。