金曜日に猛烈な下痢症状が出て日曜日の山行は無理かと思っていたが、土曜日に仕事をしていると症状が改善した感じなので、日曜日は登山道調査予定の中でも比較的楽な台山を歩いてくることにした。
行程的には蒲沢登山口から登り、台山山頂を経て土内に下った方が登山道を確認する意味で効率が良いのだが、車を回収するためにタクシーが必要で、結構経費が掛かるため蒲沢登山口往復ルートを採った。

【 5/29 台山(1077m) 山形・神室連峰 】
蒲沢登山口~荒れた林道終点の渡渉点~飛び出し~台山尾根~台山~権八小屋跡~飛び出し~荒れた林道終点の渡渉点~蒲沢登山口

本コースは5年前に歩いている。秋の晴れた日で、ブナの黄葉が始まっていた。
最近は山と高原地図の登山道調査の締め切りが9月中旬のため、紅葉を楽しみながら登山道調査をする機会がほとんどなくった。私の担当するエリアは何処も豪雪地帯に当たるので、登山道の雪が消える5月下旬から9月中旬までの実質3ヶ月半で調査日数12~13日を消化せねばならない。故にこの期間は趣味で他の山域を歩く余裕がない。

東北道古川ICから国道47号を西進する。
長尾トンネルを抜けた先から広域農道を走り新庄市萩野に抜ける。
神室連峰西側の登山口のアプローチはこのルートが一番早いと最近感じる。

蒲沢(がばざわ)の集落を抜け上台川右岸の林道を走行する。
道幅が非常に狭く、車がすれ違う場所は限られるが、ダートながら路面は普通車でも走れる状態だ。
以前は途中の山神様のところに駐車して歩いたけど、今回はマックス5台ほどの駐車スペースがある蒲沢登山口まで車で乗り入れた。
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登山口から荒れた林道をしばらく歩く。
雨水で洗堀された箇所もあり、四駆の軽トラかジムニーでないと走行は難しい。
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上台川の対岸にトチノキの花がたくさん咲いていた。
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荒れた林道の終点でようやく山道に入る。
上台川の渡渉が必要で、増水時に渡渉は難しい。
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歩く登山者の絶対数が少ないこの道は、刈り払いを行われていない時は草が繁茂しそうな感じだ。
道は自然に上台川の支流の左岸に導かれる。
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道の脇にニリンソウがまだ咲き残っている。
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5年前に歩いた時は、土石流の岩礫に覆いつくされていた沢筋も、時の流れとともに草が生えて、広い河原といった感じになってきた。
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登山道沿いに唯一残っていた道標。
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登山道は沢を絡みながら上流に続いている。
道の接続点には必ず赤テープが取り付けられていて、その点も以前より分かりやすくなった。
しかし登山の初心者はルートファインディングに苦労するかもしれない。
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沢から離れる場所は国土地理院の地形図の破線ルートとずれている。
沢の流れが右に屈曲する地点で、左の細い沢筋に入る。
その沢に沿った道が本ルート随一の難所と言える。足場が泥で非常に滑り、しかも手掛かりとなるロープや低木が一切ないため、登りでも滑り落ちる危険性を感じながら登った。(帰路は足場が悪い部分は通過せず、木を掴んで細い沢まで降り、そこから沢伝いに降りて安全な登山道に復帰した。)

難所を過ぎると美しいブナの森に入る。
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途中、イワカガミが咲いていた。
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826m独標地点は飛び出しと呼ばれている。
ブナの森から急に景色の良い尾根に飛び出るので、まさに呼び名通りの場所だった。
上台川対岸の目立つピークは970m峰。左の灌木の後ろにある三等三角点のピークの点名は蒲沢という。
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飛び出しから台山尾根の権八小屋跡までの比高は220m。
写真では分かりにくいが、写っている2本のブナは中間で抱きつく様に合体している。
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権八小屋跡が近づくと残雪が登山道を隠した。
適当に雪を拾って登るが、正規のルートを外してしまい、そのまま直登して台山尾根を目指すことにする。
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雪の斜面を登っていて振り返ると黒森方面が霞んで見えている。
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2mぐらい笹薮を分けて台山尾根の登山道に合流する。
台山へ右折し、鞍部までどんどん下る。
鞍部を過ぎたところは、以前は笹薮が繁茂し歩き難かったが、今回は綺麗に刈り払いされている。
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尾根の北側はブナの森。
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鞍部から登り返して三つ目のピークが台山山頂だ。頂稜の道は写真の様な状態で邪魔に張り出した灌木をかなり伐採した事が分かる。
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新緑のこの時期でもマンサクが見られて嬉しくなる。
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傾いた標識が立つ台山山頂に到着。
しかし標識の文字は剝れてしまって何が書いてあったか不明。
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着いた時、山頂から見える神室連峰主稜線の峰は火打岳のみだった。
この地域は前夜に雨が降ったらしく、主稜線の峰々は雲に覆われていた。
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土内川左岸の斜面を見下ろす。
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腰を下ろしておにぎりを食べていると、空が一気に晴れてきた。
立ち上がり、姿を現した小又山(右)と天狗森を望む。
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山頂から土内へ下る道も整備が終わっているようだ。
来年そのルートも調査しなければならない。

帰りは往路を戻る。
1086m峰の下りで神室山と前神室山が見えている。
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帰り道、登山道に大量に落ちている折れた枝を、自分のできる範囲で片付けながら歩いた。
鞍部から登り返し、台山分岐に着く。
以前あった標識は無くなっている。
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その少し先が権八小屋跡だ。
右に下るのが土内コース。直進すると神室山に至る。
この分岐の標識も無くなってしまった。
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残雪で道を外したポイントの確認を楽しみにしながら下る。
登山道の接続点のテープが地面に落ちていて繋がりが分かりにくくなっていたと判明。

ハルゼミの大合唱で賑やかなブナの森に入る。
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上台川の支流に降り立ち、沢を絡みながら下って行く。
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渡渉して荒れた林道を歩いて行くと、前方をアナグマが同方向に下っている。
コロコロ丸い身体が可愛らしい。
しばらく道案内をしてくれる様なアナグマの後を追った。

いつの間にかアナグマの姿が見えなくなったと思ったら、もう登山口はそこだった。
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狭い林道を走行していくと、先ほど出会ったアナグマがひょっこり林道に現れた。
車にびっくりして駆け下っていく。
林道を外して山の中に逃げればいいものを、しばらく車に追われた格好で前を走っていた。
やがて疲れたのか、川の方へ下っていった。

蒲沢集落のところから台山を振り返る。
地味な山なので、登る登山者の数は非常に少ないが、逆に誰にも会わない山歩きが楽しめる点が良い。
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この後、神室連峰の峰々はまた黒い雲に隠れてしまった。
私が山頂にいた僅かな時間だけ、山は姿を見せてくれたみたいだ。

GPS軌跡。
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