一昨日の昼までは雪山を歩いてくる予定だった。
しかし夕方の天気予報を確認する曇りの予報に変わり、しかも黄砂が飛来している模様。
おそらく高曇りであろうが、視程が利かない雪山に行く気は失せてしまい、急きょ高館山へ花を見に行くことにする。そのため庄内の山友には連絡せず、朝5時に自宅を出た。

【 3/25 荒倉山(307m)から高館山(273m)山形・庄内地方の低山 】
(注)オオミスミソウの盗掘を防ぐため、ルートについては記載しません。
ご理解のほどお願い申し上げます。

荒倉山から高館山までの山並みを庄内アルプスと地元の方は呼んでいる。
前回は2012年4月に歩いた。→その記事

荒倉山はやがまた百名山にも選定され、現在多くの登山者が訪れる山になったようだ。
今回は未踏の油戸登山口から登り、高館山まで縦走するコースを歩いた。
歩行距離15km、累積標高差1100mと里山歩きにしてはハードなコースだ。

車を下山口に置きタクシーで油戸漁港まで行く。
間違って写真の道を直進してしまったが、正解は右が登山口へ向かう道だ。
荒倉山の稜線が望める。
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湿った場所にネコノメソウが咲いている。
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その近くに少量ながらワサビが咲いていた。
見るだけで採らない。
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荒倉山登山口。
この標識はかなり山際まで登った地点に立っている。
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オクチョウジザクラ。
山中、あちこちで咲いていて目を楽しませてくれた。
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ちょっと見ギョギョっとなる急な階段を登る。
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階段を登りきると尾根に出る。
穏やかな登山道に開き始めのコシノカンアオイを見つけた。
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登山道沿いにキクザキイチリンソウが群生している。
前日から曇りの天気が続き、花が開かないのが残念だ。
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この木肌がつるつるの太い木は何でしょう?
サルスベリに見えなくもないが・・・
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途中からカタクリが多く見られるようになる。
このコース、由良から登るより花が多いかも。
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咲き始めのルリソウ。
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尾根に出るとそこはT字路で、右折すると荒倉山、左折すると八森山への縦走路になる。
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エンレイソウが咲いている。
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木々の芽吹きが始まり、曇っていても明るい雰囲気になる。
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由良コースの分岐からひと登りで荒倉山山頂に着く。
雑木林に囲まれ展望はないが、落ち着いた感じのする山頂だ。
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少し休憩した後、高館山への縦走開始。
この場所は晴れていれば鳥海山が望めるようだが、この時は高館山が霞んで見えるのみ。
日本海に裾野を洗う山域なのに、不思議に山奥にいる感じがする風景だ。
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油戸への分岐を見送り、直進すると登山道に笹が被ってくる。
顕著な踏み跡がついているし、迷いやすいところには赤テープが付けられている。

午前10時5分前にマスさんがネットでライブチケットを取るため休憩する。
荒倉山山頂は電波が微妙に弱く、少し大山側に下った地点で電波状態が良くなった。

前日雨が降ったのだろうか?
湿って滑りやすい急坂を慎重に下る。
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標高200m峰から南東に進路を変えて下っていくと、右手に荒倉山が見えていた。
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イワウチワの花が咲いている。
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竹ノ浦方面へ下る微かな踏み跡へ直進しないように注意し、斜め左に下っていくと、ショウジョウバカマが多く見られるようになった。
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この縦走路で一番多く見かけた花はキクバオウレンだ。
花は終盤で花びらが落ちてしまったものもあった。
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気持ちいい雑木林の中を進む。
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この縦走路で最低鞍部、標高100m地点の油戸峠を通過。
電線が峠を乗り越え、その先に中身がない祠が建っている。
以前歩いたときに祀られていた地蔵様は何処にいったのであろうか?
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150m峰(点名:草井谷)の登りの途中、寒さで飛べたてないギフチョウが枝にとまっていた。
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150m峰北側のなだらかな尾根筋を北上する。
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シュンラン。
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標高210m付近で道は直角に右へ折れる。
西側の246m峰(四等三角点:今泉)方面へ向かう道はないようだ。

標高209m峰(四等三角点:永山)を越え加茂坂トンネルの上にある峠に着く。
標識には新峠と書かれているが、それが峠の名称なのだろうか。
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峠の一角に二基の石祠が祀られている。
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峠にある標識が分かりにくく、一度間違って大山方面に少し東進してしまった。
間違いに気がつき、「至 旧峠」の方に進むと八森山へ登っていく道に入れる。

次の標高170mのコブに「←見晴台へ」の標識があり、展望が得られるのでは、と急坂を降りてみる。
見晴台らしい場所からは、県道112号の一部と日本海が望めるだけだった。
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見晴台でお昼にする。
デザートはマスさんお手製のケーキ『モン クール』。
パッションフルーツのゼリーが入った酸味のあるチョコケーキで、とても美味しかった。
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標高150mの北側に小さな峠がある。
「稲荷」って何処なのだろう?
この頃からようやく陽の光が出てきた。
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ナニワズが咲いている。
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笹が被った八森山への登り。
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八森山の山頂に着く。
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山頂で少し休んでから慣れた道を高館山に向かう。

稜線のオオミスミソウ群生地は花が激減していた。
花盗人の仕業であろう。
20年ぐらい前に初めて歩いたときは、登山道の西側はオオミスミソウの花畑になっていたが、年々減り続け、いずれこの群生地は消滅してしまうかもしれない。
それでも登山道の株は健在で、美しい姿を見せてくれた。
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オクチョウジザクラに陽光が当たるとより綺麗に見える。
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今回の山歩きで合計8個もあったウスタビガの繭。
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車道に出てすぐに奥の細道コースに入る。
ようやく花が開いたキクザキイチリンソウ。
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今年はユキツバキの花数が多い。
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湿った場所に設置された木道の一部が通行できなくなっていた。
ケヤキの森に入るとカタクリが多く見られる。
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カタクリの花の蜜を吸っていたギフチョウの撮影に失敗した後、地面に羽を休めていたギフチョウを見つける。
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山頂手前に咲いていたキブシ。
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遅い時間に到着し、閑散とした高館山山頂。
展望塔のガラスが一部割れてしまったようで、展望塔は立ち入り禁止になってしまった。
破損したのはごく最近のようで、展望のない高館山随一の展望地だったので、早い復旧が望まれる。
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後は秘密のミスミソウ群生地に立ち寄る。
場所を知られたくないため、山頂から先の行程はいっさい書きません。
下池の群生地も近年盗掘被害が多く、株がどんどん減っていると聞いている。
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曇っていてカタクリやキクザキイチリンソウの花がほとんど開かず残念だったが、今年初めての花山行に満足して下山した。

GPS軌跡は荒倉山エリアのみアップします。
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