昨年5月、金山町・神室山の会の有志の方々が薮化していた鉤掛森~竜馬山の区間を刈り払い整備した記録を見て、有屋峠街道の登山道調査に今年は行かねばと思っていた。
まだネマガリダケが伸び始める新緑の頃が歩きやすいため、天気の良い12日に決行した。

【 5/12 檜木森(960m)と竜馬山(521m) 山形・神室連峰 】
●檜木森:ふれあいの森遊歩道入口~ブナ林山頂~鉤掛森~檜木森~鉤掛森~第2休憩所~第1休憩所~ふれあいの森遊歩道入口
●竜馬山:舗装道路終点~竜馬山登山口~北側の小ピーク~竜馬山(往復)

山と高原地図の登山道調査の辛いところは、過去に歩けて地図に記載されているけど、整備されず放置された難路の調査に行かねばならない点にある。
そんなの地元の行政機関に尋ねばいいと思う方もいるだろうが、行政機関が管理していない林業用の作業道も多々あり、更に地元の有志が個人的に整備を行い、それが高齢化によって維持できなくなった道も存在する。しかし薮化して道を時たま歩く御仁もネットで見受けられるため、自分の目で確認するしかないのである。

今回、調査を行った有屋峠街道もそんな道のひとつ。
山と高原地図には刈り払い問い合わせ先を「山形県遊学の森・木もれび館」と記載しているが、現在は整備をいっさい行っておらず、この記載は消さねばならないだろう。

一応過去に歩いた記録のリンクを下記に貼っておく。
2011年9月25日(入有屋から薄久内)   
2013年11月16日(鉤掛森と竜馬山)
2017年9月16日(入有屋から薄久内:秋田県側は道が消失)

現在、入有屋からの道は廃道状態のため、やまがた百名山に選定された鉤掛森の正式登山口である、ふれあいの森遊歩道入口から入山した。
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ふれあいの森遊歩道は大清水沢の扇状に広がったブナの二次林の中に整備されているが、分岐ごとに何処に行くかあまり記載されておらず分かりにくい。
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二次林といってもブナの樹高は目算で20mぐらい。
過熟木や巨木がない代わり、太さが揃っていて、しかも林床の低木や薮がなく、すっきりした印象の美林だ。
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水場を通過。水場の標識はブルーシートに包まれた状態だった。
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最短距離で鉤掛森を目指す場合、分岐を常に右・右と進めば良い。
尾根に出たところの展望所からは竜馬山が見えていた。
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緑濃くなったブナ林に陽の光が差し込む。
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七曲りと名付けたくなる様な急坂をジグザグに登る。
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ブナが根元から倒れている足場が悪い場所に出る。
鳥海山が望めた。
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見はらし台まで登ると入有屋方面から登ってくる有屋峠街道が合流する。
その古道は薮が覆っている。
見はらし台から望む葉山。右奥に朝日連峰の一部が見えている。
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以前は三角山の表示があったブナ林山頂に立ち寄る。
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以前より左右の木々が伸びて展望は利かなくなった。
月山が木々の隙間から望める。
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鉤掛森の山頂へ向かう尾根筋から檜木森が見える。
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昨年調査で歩いた水晶森。
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そして神室山も見える。
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鉤掛森山頂。
新しい山名板が設置されていた。休まず檜木森へ向かう。
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途中、手前にかかる雲が消えて、鳥海山が全貌を見せてくれた。
山と高原地図「栗駒・早池峰」の登山道調査ではほとんど全ての山で鳥海山が望める。
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視線を右に振ると丁山地の山々が見えてくる。
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稜線の北側を通過する局面では有屋峠街道の道型が良く保存されている。
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稜線上にはブナの巨木がときどき現れる。
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850mピーク付近は日当たりが良く薮っぽい。
南に天狗森と小又山が見えている。
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ミズナラとブナの巨木が並んで立っている場所。
二本とも健在でほっとした。
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古道は多くの旅人に踏まれたのであろう。
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イワウチワが終わり、草花はほとんど見られず、ムラサキヤシオが唯一咲いている花だった。
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稜線が南東に向きを変え、檜木森の頂稜に乗ると急に薮が酷くなる。
一部、古道の踏み跡から離れたところが刈り払いされている。
まだ整備途中のため、乱雑に刈られた切り株が歩きにくい。
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この写真の付近が広場になっていた檜木森山頂標識があった場所。
何となく踏み跡が確認できるが、低木とササが繁茂し、黒森方面に行くのは相当なヤブ漕ぎを強いられると思う。山と高原地図では難路扱いになっているけど、ネズ破線の廃道扱いにせねばならない。
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しかし前回確認できなかった檜木森の三角点には会えた。
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神室山の会では今後、檜木森~黒森~通説・有屋峠~水晶森と登山道を整備したい意向のようだが、遊学の森・木もれび館に以前☎確認した折には、「黒森以南は国定公園の第一種特別地域に指定されているため、勝手に道は伐れず、今後整備をする予定はない。」と断言されていた。
以前の道伐りは国土調査のために行われた経緯がある。
国や県に、登山道の整備申請を正式に行った上での登山道整備なら歓迎するが、実際はどうなんだろう? 今は無かったことになっている「よっちゃん新道」の様にならなければ良いが・・・

帰路、檜木森の頂稜から北東方面が見える場所があった。
遠く高い山が霞んでいる。
右側の山はどう見ても岩手山だ。
帰宅後に調べてみたら間違いなく岩手山で、中央の雪山が和賀岳、その左手が秋田駒ヶ岳と分かった。
この位置からだと焼石連峰に邪魔されず見えたことは新たな発見だった。
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鉤掛森に戻り、腰を下ろして休憩をとる。
マスさんお手製のケーキ「マロンケイク」。
栗がまるまる一個入っていて、カステラ味の美味しいケーキだった。
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往路は開いていなかったミヤマカタバミが花開いている。
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実生のブナ。
親木が倒れて陽の光が差し込まないと枯れてしまう運命なのは悲しい。
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途中の分岐を右折して遊歩道を少し周回してみる。
美しいブナの森を堪能せずに単なるピークハントで終わるには惜しい森だ。

第2休憩所の東屋は倒壊している。
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清々しいブナの森を進む。
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第1休憩所。
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下部に2か所ある水場のひとつ。
朝方なかったお掃除小僧の石像と看板がどちらにも設置されていた。
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車に戻り、次の山・竜馬山の登山口へ移動する。

GPS軌跡。
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東麓から見た竜馬山。
今回は裏側の正規登山道を歩く。
2014年11月16日に歩いて以来、今回で3回目の登山だ。
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魚清水地区から舗装道路の終点まで車で入る。
林道を奥に入っても駐車スペースが無いらしい。
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林道はずっとスギ林の中を登る。
小沢の上部に2か所砂防ダムがある。
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急な林道を登り、峠状のところに出る鳥海山が見えた。
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この赤テープがある山道を登る。
登山口の標識はない。
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やまがた百名山のHPには薮の登山道の記載があるが、夏草が伸びる前の今の時期は薮に関しては気にならない。
スギ林を抜け雑木林に入ると小さな岩場のヤセ尾根が現れる。
距離は短いので慎重に越えれば良い。
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登山道は両側から木々が被さっているが、踏み跡は顕著で迷うことはない。
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北側の小ピークから修験道コースが分岐している。
過去2回歩いたが完全に上級者向けのルートだ。

そこから左側が切れたヤセ尾根を辿ると竜場山山頂に着く。
以前は周りの木々が伐採されて、そこそこ展望が開けていたが、現在は檜木森方面しか見えない。
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ザックを置いて、カメラだけ持って南に派生する微かな踏み跡を下ってみる。
細い岩稜のところに出ると台山と火打岳が望めた。
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サレた岩稜は左右がザックリ切れ落ちていて、足場が悪いためこれ以上進むをことを断念した。
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岩稜にシロウマアサツキと思われる山野草が群生している。
まだ蕾で、咲いたら綺麗だろう。
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岩稜から東方を望む。
右下の山は大平山。奥に前神室山と神室山、右奥に天狗森が一望できる
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檜木森と、重なって鉤掛森が望める。
右奥は水晶森。
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山頂で群がるブユにうんざりしながら遅い昼食をとった。

帰路、スギ林の中にチゴユリが群生していた。
登山道沿いで見られた花はこれだけ。
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小さな山なので短時間で車に戻れた。
正規ルートからの登山は見どころが少なくてあまり楽しめなかった。
大平山や薬師山などとセットで登るのがイイ山だろう。

GPS軌跡。
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