天気に恵まれたこの日は神室連峰の根ノ崎コースと大又コースの登山道調査。
一度にこの2コースを歩くためには、神室山から天狗森を経て小又山へ縦走するしか術はない。
まあブユが大量発生する時期ではあるが、写真を撮り撮りのんびり歩いてみることにした。

【 5/31 小又山(1367m) 山形・神室連峰 】
根ノ崎登山口~主稜線根ノ崎コース分岐~天狗森~小又山~越途~大又登山口~根ノ崎登山口

早朝、まだ陽の光が差し込まず肌寒い時間帯に根ノ崎登山口を出発。
午前8時を過ぎるとブユの活動が活発化してくるので、できるだけ涼しいうちに標高を稼ごうという作戦だ。
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足場の悪い斜面をトラバースしてから小沢(鍋倉沢)を渡る。
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そこから見上げるほどの急坂を一気に登る。
出だしは足場が細く、足の置き場を確かめながら歩を進める。
やがてヒメコマツが立ち並ぶ細い尾根になる。
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梢越しに越途から小又山を結ぶ尾根に着き上げる丈ノ沢支流の雪渓が見える。
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冬路沢対岸の軍沢岳を眺めながら一休み。
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四合目付近。
この頃からエゾハルゼミが鳴き始め、ブユが少しずつ集ってきた。
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根ノ崎コースは十里長峰と呼ばれ、小さなアップダウンが続く長い尾根を登る。
東側は雪食地形が顕著で、尾根の西側はブナの原生林に覆われている。
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県境尾根の奥に高松岳(右)と山伏岳が見えてきた。
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今年はサラサドウダンの花付きが非常に悪く外れ年の感じだ。
咲く花は少なく、ツバメオモトや咲き始めのマイヅルソウが見られたのみ。
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県境尾根に出た途端、役内沢の雪食地形が顕著な神室山東面が望める。
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役内登山口から西ノ又コースを登ると、写真左上の小さな雪渓の右側付近に飛び出る。
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ムラサキヤシオの鮮烈なピンクが印象的だ。
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八合目付近から主稜線の天狗森(右)と小又山、そして越途のピークを望む。
とても標高1300m台の山とは思えぬ景観だ。
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県境尾根の先に虎毛山と栗駒山が霞む。
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主稜線縦走路の奥に月山と台山(右)が見える。
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根ノ崎コース最後の急登。
小さな岩場が見えるところにロープが設置されている。
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登ってきた根ノ崎コースの十里長峰を振り返る。
奥に見える山は禿岳。
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九合目から神室山山頂(右奥)を見る。
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主稜線の根ノ崎コース分岐に着く。
神室山は20分強で往復できるが、鳥海山方面に雲がかかっているのと、近々神室山に別ルートで登らねばならないので、今回は立ち寄らず縦走路を南下した。

これから向かう天狗森と小又山を望む。
神室山から小又山を経て火打岳の主稜線は昨年9月に歩いている。
その時は刈り払いが行われたばかりで、登山道に敷かれたササが滑って苦労したが、今回は足元が滑らず快適だった。
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火打岳に登った時は咲き始めだったコイワカガミが満開になっている。
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雪が解けたばかりの道沿いにはカタクリが健在。
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一気に下って神室山を振り返る。
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天狗森(右)と小又山。
少し似たような山容をしている。
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道沿いに咲くシラネアオイは散り始め。
急峻に切れ落ちる東斜面にはたくさん咲いている。
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天狗森の登りは急で一歩一歩ゆっくり登る。
神室山を振り返る。立ち止まるとブユが一斉に顔の周りに近づいてきて煩わしい。
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天狗森山頂は展望皆無なので、三角点にタッチしただけで休まず通過。
その先の小又山が望める場所で休憩を取る。
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ブナの緑がどんどん濃くなっている。
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天狗森と神室山を振り返る。
この写真を撮る少し前に単独の女性とスライドした。
この日出会ったのはその方のみ。
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小又山が近づく。
この頃から急に積雲が増え曇ってきた。
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ちょっとシャリばて気味で小又山の登りに力が入らない。
小又山山頂直下から歩いてきた縦走路を見る。
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小又山に到着。
昨年9月に登った時はガスで何も見えなかった。
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火打岳と大尺山の雪食地形。
そして奥に月山と朝日連峰が霞む。
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ずっと雲で山頂が見えなかった鳥海山。
ようやくここまで姿を見せてくれた。
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弁慶山地の胎蔵山の右奥に日本海が見え、南東には仙台平野が霞んでいる。
小又山は太平洋と日本海が望める山なんだね。

山頂でカップ麺とおにぎりを食べ、最後に温かいコーヒーを飲んで一息つく。
30分強休憩してから写真の越途ピークを目指し下山の途についた。
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最初のガレ場は慎重に下る。山頂を振り返る。
写真に撮ってはいないが、西ノ又沢支流の釜ノ沢源頭に咲き誇るカタクリが凄い。
斜面がピンクに染まっていた。
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灌木帯に入るとムラサキヤシオが花盛り。
足元にはミツバオウレンがたくさん咲いていた。
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途中ツバメオモトが群生していた。
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小さなコブの登りから小又山を振り返る。
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ブナ林に入ると小規模なオサバグサの群生地がある。
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この界隈のブナ林は美しい。
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標高差70m登って六合目の越途に着く。
右が西ノ又コース、左が大又コースだ。
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越途の北東側にはこの時期大きな残雪があるが、今年は雪解けが早いため大した量は残っていないと想像していた。しかし実際にはこんな感じ。
アイゼンを持参していないので、斜め左に斜降すれば間違いなく滑落するため、踵キックステップで直降し、笹薮と残雪の境目を歩いて登山道に復帰した。登りの場合はキックステップが利きやすいので斜高できるのだが・・・
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大又コースの最大の特長は五合目から越途までの区間にオサバグサが群生している点にある。
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山形県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されているオサバグサ。
神室連峰では主稜線の一部にも咲いている。
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東北地方では南会津の帝釈山、早池峰山の薬師岳が有名だが、和賀山地や虎毛山地でもブナ帯の広葉樹林の林床に群生している。大又コースはまとまった群生地としては山形県随一かもしれない。
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日本の固有種なので大切に未来に残したい宝だ。
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オサバグサだけでなくツバメオモトも多く咲いていた。
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三合目付近から梢越しに神室山を見る。
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毎回写真を撮ってしまう存在感あるブナ。
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標高760mの小ピークから降りてきた尾根を振り返る。
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大又コース最大の難所、ロープべた張りの急坂を慎重に下る。
この標高差150mの危険な急坂を嫌って登りに使う登山者が多いのも分かる。
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足場の悪いサワグルミとトチノキの茂る坂を下り大又登山口へ降り立つ。
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大又沢にかかる洗い越しの橋は堆積した上流側の土砂が片付けられ、洗い越しの橋の下を水が流れるように改善されていた。その橋の上から上流部を見る。
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後は林道を歩いて車を停めた根ノ崎登山口へ戻る。
沢の水で汗で汚れた身体を洗ってさっぱりした。

冬から謎の体調不良が続き、長丁場の山歩きを極力控えていたが、暖かくなって体調が少しずつ改善し、今回程度の山なら十分歩けることが分かり、ほっとした。
今年の登山道調査は距離の長いコースが結構多いのだ。神室連峰には後2回来なければならない。

尚、今回歩いてみて根ノ崎コースの七合目から九合目にかけて、登山道に灌木がかかっている状況なので、登りに使う場合はコースタイムより時間がかかる事を考慮する必要がある。

GPS軌跡。
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