長井側から祝瓶山に登るのは久しぶり。
長井ダムの工事や豪雨被害における林道の通行止めなど、アプローチの問題で行こうにも行けない状態だった。それにプラスして野川にかかる角楢吊橋が通行不能になっていたが、モンベルの寄付によりケーブルの取り換え作業が昨年7月に完了し、再訪したいとずっと思っていた。

【 10/14 祝瓶山(1417m) 山形・朝日連峰 】
祝瓶山荘~桑住平~祝瓶山~鈴振尾根の分岐~赤鼻尾根分岐~桑住平~祝瓶山荘

朝霧立ち込める長井盆地を抜け長井ダムに差し掛かると視界が一気に広がった。
貯水量が極端に減った木地山ダムから祝瓶山を見る。
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木地山ダムから悪路の林道になる。
途中の分岐で間違って左折してしまい、極悪の林道に入った。
間違いに気がつきUターン場所を探してしばらく直進。
何とかスタックしないで分岐まで戻れたのは、デフロック機能があるトヨタラッシュのおかげだった。
最低地上高が200mmもあり、段差や深く掘れた轍でも下を擦ることがなかった。
別にジムニーの様なラダーフレームでなくても良い。ゆっくり走行すればフレームにはあまり影響がない。メーカーもこういったスモールサイズのデフロック付きSUV車を販売して欲しいものだ。

この日、祝瓶山荘まで車で入れた人は、最低地上高が比較的高いSUV車だけだった。
悪路になった時点で路肩が広い場所に車を乗り捨て、そこから歩いて入山した方が多かった。

祝瓶山荘の下の駐車場に降りていく場所も轍が深く、乗り入れできない車が多い。
その駐車場の一角に電話ボックスが設置されているが、これは登山届用のボックスだ。
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山荘から古い林道をたどると角楢吊橋に出る
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吊橋がかかる野川の川幅は広い。
グラグラ揺れる吊橋を渡る。
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途中、祝瓶山の東面が見える場所があった。
ピラミッドを思わせる均整の取れた山容に見惚れる。
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足場の悪いトラバース地点を過ぎ、少し登り返すと桑住平に出る。
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ブナの原生林の下生えはユキツバキだ。
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T字路を左折してカクナラ沢を渡る。
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カクナラ沢の右岸には美しいブナの森が広がっていた。
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ヌルミ沢を渡り、そこから山頂まで標高差770mの急登が始まる。
焦らず写真を撮りながらゆっくりペースで登る。

標高800m付近から祝瓶山を見上げる。
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下部は未だ紅葉が始まっていない。
オオカメノキの赤い葉っぱが目立つ。
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標高900m付近から尾根が痩せてきて、木々の背丈が低くなる。
南側のコカクナラ沢対岸の尾根筋が見えてくる。
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北東側に大玉山南側の1319m峰が見えてくる。
右奥の三角形の山は御影森山。
この日、御影森山に登るか、祝瓶山にしようか悩んだが、朝日鉱泉ナチュラリストの家の駐車スペースが狭い事を懸念して、祝瓶山に決めた。
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965m独標付近から山頂を見上げる。
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ヌルミ沢左岸の大岩壁の迫力が凄い。
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標高1000mを超えると灌木が色づいてきた。
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祝瓶山から南に派生する稜線の1131m峰の山襞に斜光が差し込み、より凄惨さを際立たせている。
左奥の山は柴倉山。
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北に西朝日岳が見えてきた。
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祝瓶山東尾根を登る先行者。
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ようやく大朝日岳(右)が見えてくる。
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標高1200m付近まで登ると小さな岩場が出てくる。
ロープや鎖など補助になるものは一切設置していないため、三点確保を意識して慎重に登る。
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ヌルミ沢上部のスラブ帯が眼前に広がる。
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灌木の紅葉が美しい。
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登ってきた東尾根を見下ろす。
高度感抜群の光景だ。
ここからルートは左へ足場の悪い斜面をトラバースし、コカクナラ沢最上部のスラブに移動する。
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トラバースの途中、祝瓶山から南へ延びる柴倉山、合地峰、三体山方面を見る。
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草付きのスラブを時に手を使ってよじ登る。
浮石に気をつければそんなに危なくないが、高度感は凄い。
最後に一本のロープが設置された岩場を登れば山頂は近い。
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そして多くの登山者が休む祝瓶山山頂に到着。
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まず目が行くのは大朝日岳(右)、中岳、西朝日岳の朝日連峰主稜だ。
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視線を少し左に振ると以東岳方面が見えてくる。
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大朝日岳の右に伸びる稜線には御影森山が突き出ている。
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南東には木地山ダムと吾妻連峰が霞む。
東尾根を登っている途中、磐梯山が見えていたが、山頂に着くと雲に隠れてしまった。
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飯豊連峰も同様に登りの途中で全山見えていたが、山頂に着いて写真に収めればイイと、その時は撮影していなかった。しかし山頂では雲がかかりはっきり見えなくなってしまった。
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西には日本海も見えていた。
頭布山の奥に光兎山、右に鷲ヶ巣山が目立つ。
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北は錦繍の鈴振尾根を眼下に、奥に巣戸々山が見える。
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山頂で栃木からいらした二人の男性といろいろ話をしていたら、鈴振尾根を登ってくる新潟県の20人以上のパーティが見えた。直ぐに下山をしても、途中の足場の悪い急坂で待機せねばならないため、そのパーティが山頂に着くまで待って下山を始める。

鈴振尾根の西斜面の紅葉が盛りだ。
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西に急に落ち込む金目川の斜面を見下ろす。
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陽の光があたると紅葉がさらに鮮やかさを増す。
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祝瓶山の山頂を振り返る。
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この赤く色づいたドウダンがある分岐から右に派生する急な尾根を下る。
現在、標識はないので注意が必要だ。
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雲が去来し、日差しがあったり無かったり、撮影タイミングが難しい。
途中で小さな岩場やザレ場があったりする急坂のため慎重に下る。
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カクナラ沢の紅葉した斜面に陽の光が差し込む。
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鈴振尾根を見上げる。
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鈴振尾根北東面の迫力満点の岩壁が間近に見える。
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岩壁の姿が下っていくごとに変化していく。
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カクナラ沢と祝瓶山山頂を見上げる。
日差しがないため立体感がなく残念だ。
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標高1000m付近の黄葉したブナ林を通過。
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鞍部から赤鼻尾根分岐まで標高差70mの急坂を登り返す。
背中から暑い日差しを受けてキツイ登りだ。
途中、梢越しに祝瓶山が見える場所があった。
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赤鼻尾根分岐で休憩。
ここで船形山に登った時に食べたマスさんお手製のケーキ『フロマージュマロン』を食べる。
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赤鼻尾根の下りも急だ。
ハウチワカエデの紅葉を眺めながら慎重に下る。
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途中、岩が露出した場所数箇所にクサリが設置されている。
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途中、逆光でシルエットになった祝瓶山が見える場所に出た。
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標高750mまで下がってくると穏やかなブナの森に入る。
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支沢を渡り、石伝いにその沢を下るとカクナラ沢に出る。
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後はカクナラ沢左岸の河岸段丘を歩くと桑住平に戻れた。
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カクナラ沢の河原で汗で汚れた顔と身体を拭く。
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朝方見上げた祝瓶山に斜光があたり、朝とは印象が違って見えた。
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野川にかかる角楢吊橋の上から野川を見る。
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後は古い林道跡をたどって祝瓶山荘の駐車場に戻った。
祝瓶山荘では翌日、祝瓶山の市民登山が行われるため、係の方々がその晩宿泊する参加者への準備作業を行っていた。
その市民登山はネットで知っていたので、途中の林道でその参加者を乗せた車とすれ違いが容易ではないと思っていたが、その車では山荘まで走行できないため、途中から皆さん徒歩で山荘に向かっているらしい。これで心置きなく車を出せることが分かりほっとした。

帰路、秋の行楽シーズンのため、仙台市街地に帰ってくる車でかなりな渋滞に巻き込まれた。
まあ素晴らしい紅葉を見られたので仕方ないね。

GPS軌跡。
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