近年、翁倉山に登米市側(旧津山町側)から釣瓶山を周回できるルートができていて、そのルートを歩いた山行記録が散見される様になった。釣瓶山は初めて聞いた山なので歩いてみたいと思い、13日にmorinoさん、yonejiyさん、maronnさんと一緒に行ってみた。
翁倉山は石巻市(旧北上町)方面から何度も登っているが、翁倉山から釣瓶山の区間は未踏であったため、別な山に登ったような新鮮な山歩きができた。

【 1/13 翁倉山(531m)宮城・北上山地 】
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国道45号線の登米市津山町横山地区から、翁倉山の標識を見て右折し大萱沢渓流公園へ向かう。
この公園は隠れキャンプ場になっているようだ。
渓流公園南端の駐車場には翁倉山のイラスト看板が設置されていてルートの概略が分かる。
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このイラストマップは2022年4月に津山地域振興会(登米市津山公民館)によって設置された。
同振興会では令和2年度より地域づくり事業の一つとして、登米市側からの登山道や標識などの整備を進めていて、多くの方に訪れてもらいたいと、「大萱沢地区自然散策案内板(イラストマップ)」のほか、翁倉山周辺の見物石山や弥勒山への標識などの整備も進めているとか。(☎0225-69-2234)ただし

登米市(旧津山町)方面から翁倉山へ登るのは久しぶりだ。
だいぶ前に一度だけ歩いたが、大規模な伐採現場に伸びる林道歩きに辟易し、登山道の整備もイマイチだったため、あまり良い印象を抱いていないコースだった。
その時、「これではイヌワシも営巣地から離れ、いなくなるのは当然」と思った。
しかし現在は植林されたスギも伸びてきて、以前とは様相も違っているだろう。

渓流公園から林道を歩きだす。
林道は駐車スペースがほとんどなく、渓流公園の駐車場を利用するのが望ましい。
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少し歩くと右手に大きな砂防ダムが現れる。
ダムの上から南側を見る。
奥に見える稜線は翁倉山北西尾根の484m独標のようだ。
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風もなく静かな水面にダム左岸の木々が写り込んでいる。
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林道の東側の涸れ沢に新しい砂防ダムが5基連なって造られていた。
過去に土石流が発生さたのであろう。
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林道の右手、枝打ちされ手入れの良い津山杉のスギ林の上部に赤い鳥居が見えた。
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どんな神社があるのか興味があったので急坂を登ってみる。
そこには比較的新しい神社の社殿が建っていた。
旧津山町の神社仏閣のデータを調べてみても、この神社の名前や由来は分からなかった。
林業が盛んな地域ゆえ、山仕事の安全を祈願して建立した神社かもしれない。
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林道の分岐を左折する。
ここから翁倉山登山口まで0.9kmの標識。
登山口まで2kmの林道の約半分登ってきたようだ。
ちなみに林道分岐の地点に車1台程度は駐車できるスペースがあった。
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林道の左手にビニールハウスが何棟か建っている、
今は使われていない感じだ。
おそらくワサビを栽培していたハウスと思って、ビニールが裂けた部分から中を覗いてみた。
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正解。ワサビを栽培する施設に間違いなかった。
未だにワサビが生えている。
耕作を止めた理由は分からないが、下部の土石流跡を見ると、ワサビ畑への導水管が破損したのかもしれない。
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少し奥に入ったところに【石切り場→】の標識がある。
林道を少し登った地点からスギ林の奥を眺めると、白っぽい岩と看板が確認できたため、下山時に立ち寄る事にして先に進む。

次の林道分岐には「翁山登山コース」のイラスト看板が設置されていた。
登山コースはその分岐を左折する。
イラスト看板には駐車スペースの記載はあるものの、分岐から先の林道はかなり荒れていて普通車の走行は難しい。ジムニーとか四駆の軽トラなら入れそう。
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分岐から北西方面に袈裟切地蔵がある物見石山(右)が望める。
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岩盤が出た細い沢筋の右岸に沿って荒れた林道が続く。
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二人が立ち止まっている場所が翁倉山登山口だ。
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新しい標識の他に古い道標も健在だった。この古い標識は記憶から飛んでいる。
ところで標識の駐車場10m先の記載は間違いで、実際には100mぐらい奥に駐車スペースがあった。
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小沢を渡ってジグザグにスギ林の斜面を登る。
途中、スギの枝を伝って逃げるホンドリスを見た。

小尾根を越え、尾根の西側斜面を斜めに登る。
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斜面をトラバースする地点は、足場が細く、岩が滑るため慎重に通過した。
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山頂まで標高差100mぐらいのところで登山道は鋭角に左に折れる。
急坂と標識に記載された右の道はヤブっぽいため、従来からある左手の登山道を進む。
道は細いが良く踏まれていて、赤テープも付けられ迷う心配はない。

途中、木々の間から釣瓶山と志津川湾が確認できた。
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最後の急坂を直線的に一気に登ると翁倉山山頂に着く。
登ってきたコースには新設されたご覧の標識がついている。
ところで山頂直下で合流した急坂コースは、上から見下ろしてもヤブ道だった。
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久しぶりの翁倉山山頂。登米市の最高峰という。
以前より周囲の木々が伸びて景色が見通せなくなった印象だ。
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翁倉嶽神の石祠。
お賽銭を綺麗に積み重ねた方はえらい。
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前日は晴れときどき曇りの天気予報だったが、この日の朝、予報を再確認すると曇りベースに変わっていた。冬の真っ青な海が見られるという思ったのに、志津川湾は鉛色に霞んでいる。
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直線距離で約37km南に離れている金華山はまったく見えず、北上川の対岸にそびえる硯上山がぼんやりと望めた。
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山頂で温かいコーヒーを淹れ、マスさんが持たせてくれたお手製の練りきりを食べる。
山の上で食べる白餡の練りきりは美味しい。
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翁倉山山頂から東峰へ向かう。
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東峰の標高は本峰より約1m高いと称されているがGPSで確認すると1m低かった。GPSは自分がいる位置を少し違えると高度が微妙に動くので本当の標高は分からない。
東峰では旧北上町女川へ下る下山路と、新規に整備された釣瓶山へ向かう道が分岐する。
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石巻市北上町と登米市津山町の市境尾根を北東に下る。
左の登米市側はマツの植林地。右の石巻市側は雑木林が広がる。
この下りはかなり急で、枯れ葉が滑るため、ところどころ木を手掛かりにして下った。
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鞍部まで標高差120mを一気に下ると標識のある三叉路に出る。
登山コースのイラスト看板に谷多丸分岐と書かれていた場所だ。
一帯の林床にはヤマツツジが繁茂している。花咲く時期に来たら最高の景色が見られるだろう。
ところで
谷多丸って何処だ???
帰宅後に調べてみたら、南三陸町と石巻市の市町境が分水嶺を通らず、志津川湾へそそぐ水戸辺川源流域を通っていて、翁倉山南東にある391.6m三角点峰の点名が谷多丸と分かった。
どういった経緯で分水嶺から離れた場所に市町境が設定されたのか分からないが、
谷多丸地区とは水戸辺川源流域の石巻市側を指すらしい。
因みにグーグルアースでこの一帯を閲覧してみると、谷多丸分岐南東斜面の国有林が大規模に伐採作業が行われている事が分かった。
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谷多丸分岐より少し登った地点から翁倉山東峰を望む。
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登米市、石巻市と南三陸町の三市町境ピーク付近の雑木林は雰囲気が良い。
北東側、梢越しに標高406mの切曽木山が望める。
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登山コース北側のT字路。
直進して釣瓶山へ登り返す。
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短い急坂を登り、釣瓶山へ続く稜線を辿る。
アカマツ混じりの雑木林が続き、スギやアカマツの植林地が多い今回の登山コースの中で最も明るい行程だった。
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山頂直下でウスタビガの繭を見つけた。
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釣瓶山山頂に到着。
慶応義塾・南三陸プロジェクトが2015年3月11日に設置した山名標識が立っている。2024011334

釣瓶山は志津川湾が遮るものなく眺められるピークであるが、山頂に着いた途端に雪雲が流れてきて、一気に視界が奪われてしまった。
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南東側には石巻市と南三陸町の市町境稜線に位置する385m三角点峰「大森貝山」が霞んで見えている。目を凝らしてみると山頂に通信反射板があるようだ。
この山は未踏なので、近いうちに登ってみたいと思った。
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釣瓶山山頂から東と北の二方向に下っていく山道が存在する。
森林管理署の見張り道なのか、単なる作業道なのか、何らの標識もなく分からない。
これは帰宅後に調べてみる価値があると思い、ネットに掲載されている情報をいろいろ閲覧して、その二つの道に関する由来が分かった。少し長くなるがその内容を記したい。

【北側へ下っていく山道】
472m釣瓶山から登米市と南三陸町境の尾根が、
402.8m三角点峰・点名「大萱沢」を経て愛宕山(354m)まで北へ続いている。
市町境は愛宕山から西北西に直角に折れて、小尾根を下り折立川と北沢川の分水嶺になる小さな峠に降り立つ。調べてみたら現在、釣瓶山から愛宕山の区間は道があるが、愛宕山から大萱沢地区へ下る道はないようだ。ヤマップにアップされた山行記録に釣瓶山から愛宕山へ歩いた記録が2件あったが、どの方も釣瓶山へ往路を引き返していた。
過去には西戸(さいど)や荒町の集落から愛宕山に登り、釣瓶山を経て翁倉山に至る参拝道が存在したらしい。尚、愛宕山の山頂には高さ六尺(1.82m)の石地蔵が安置されているが、現在その石地蔵は倒伏しているようだ。
→愛宕山から大萱沢へ下る小尾根は、短い行程のため、
道が無くても苦労せず下れると思う。(ヤブ漕ぎに慣れた方専用)

【東側へ下っていく山道
この道ができた経緯は山頂の山名標識の
慶応義塾・南三陸プロジェクトから探ると簡単に分かった。
慶応義塾大学では1971年7月より旧志津川町戸倉地区の山林の土地64haを取得してスギやヒノキなどの植林を行う学校林:慶應の森づくりに着手していた。
当初は慶応義塾志木高校の2年生全員が、南三陸町立自然環境活用センターで研修を行い、漁協の方々に船に乗せてもらうなど、地元とのつながりは深かったという。
そして2011年3月11日に東日本大震災が発災。
それを受けて慶応義塾大学では「被災地に行くのではなく、南三陸町へ行く」のスローガンの下、南三陸プロジェクトが発足された。
当初は災害ボランティアの側面が大きかったようだが、その後は地元の子供たちへの学習支援、仮設住宅にお住まいの方々へのコミュニケーション形成の場の創出、農業・漁業作業の手伝い、地酒づくりのための田んぼの整備、そして釣瓶山の登山道の開削など、2011年から2019年までの8年間に渡って、大学の学生と教職員延べ1700名以上が、南三陸町の方々と顔が見える関係を作ってきたと活動報告書に記載されている。

釣瓶山の東側の山道はこの
慶応義塾・南三陸プロジェクトの活動で造られた道という事実を今回調べてみて初めて分かった。
登山道の詳細は登山口から山頂まで歩いた記録がネット上で見当たらないため分からないが、西戸地区から林道を南に進み、登山口から2階建ての山小屋まで10分、左手に山神様がある一本杉まで10分、第1展望台まで20分、第2展望台まで20分、そこから釣瓶山山頂まで15分の計1時間15分のコースタイムのようだ。およそ標高差380mなのでコースタイムとしては妥当な感じがする。
しかし登山口の標識があるのか、林道の車の走行は可能かは不明だ。
歩けるかどうか分からないが、翁倉山から谷多丸山を経て、国土地理院地形図に記載されている東側の破線ルートを周回できれば面白いのだが・・・

釣瓶山から往路を戻り、最初の三叉路を右に折れて林道へ下る。
途中、翁倉山東峰と本峰が双耳峰の様に見えていた。
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林道終点に呆気なく着いてしまう。
後は小雪舞う林道を下る。
写真が登山ルート看板に駐車スペースと記載された場所だ。
はっきり言ってここまで車で入ってしまうと、極端に短いコースになるため面白みに欠けるだろう。
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帰路、ヤブをショートカットして石切り場へ立ち寄ってみる。
林道にある標識には単に「石切り場」としか記載されていないので興味を惹かないが、実際には絶対見るべき場所だった。
平らな大岩の手前に説明看板が立っていて、次の様に記載されている。
「大萱沢の石切り場 この石切り場は、深成岩の岩体(東西4km、南北5km)の一部で、三畳紀とジュラ紀に地下深い所の岩石にマグマが貫入し、熱変性によりできた石英閃緑岩や斑れい岩です。明和2年(1765)に建立された横山不動尊参道の鳥居を切り出した石切り場であると伝わり、今の残っている大きな石や奥に鎮座する山神石碑に刻まれているくさびの跡が当時の面影を残している。」
確かに大きなくさびの跡が岩に刻まれていて、単なる採石場の様な名称の書き方にそぐわない歴史ある場所と感じた。
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林道を行程の半分まで下ってくると、本格的に雪が降ってきた。
ただし薄く陽の光が差し込んでいるので、優勢な雪雲が流れ込んでいるだけなのだろう。
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そして車に戻ると、今までの雪が嘘の様に青空も見えてきた。
正に山登りのあるある状態だった。

GPS軌跡
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昨年12月に改装工事が終わり再開業した「道の駅津山もくもくランド」に立ち寄りお土産を購入。
そして次の目的地である龍ノ口山に向かう。
今年の干支は辰なので、干支の山として再訪してみようと正月早々考えていた山だが、ここだけ訪れるのは勿体ないと思い、今回はちょうど良い機会だった。

龍ノ口山は龍口神社から登る。
神社の由来は写真に記載されている。
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この神社のことをmorinoさんとmaronnさんは初めて知ったという。
意外に大きく厳かな雰囲気に二人は驚いていた。
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龍神の神が祀られるこの神社は五穀豊穣と安産、そして出世を祈願する神として近在に氏子さんが多いとか。
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本殿に参詣する。
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この時、たまたま翌日に行われる「どんと祭」(宮城県内の神社で毎年1月14日に行われる、正月飾りを焼納するお祭り)の準備で、神社の方が境内におられた。
折角仙台から来られたなら、本殿の鍵を開けるのでご神体を拝んでいってください、と言われ、有難く龍神様のご神体を拝見する。
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この龍神様、かなりな大きさで、一本の大木から掘られたご神体との事。
辰年の初めに尊い神様を拝見させていただき有難かった。
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拝観した後、南側に聳える龍ノ口山に登る。
上部に「おみだらせ」という神水が湧く場所がある。
階段入口の水道の蛇口は
「おみだらせ」の神水を降りしているようで、その手洗い水で手を洗ってから急な石段を登る。
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「おみだらせ」のご神水は岩窟の壁から滴り落ちていた。
この水は飲んではいけないらしい。
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この先の登りは手すりが壊れているため、立ち入り禁止になっていた。
我々は登山靴を履いて登っている登山者なので、まったく危なくないが、一般参拝者が転ぶ危険を考慮して立ち入り禁止にしている様だ。

傾斜を増す石段を一気に登ると龍ノ口山の山頂に着く。
結構広い山頂で、東側の一角に三角点があった。
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スギの木の間から箟岳が見えている。
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車に戻り、龍口神社の方に伺った石神社に向かう。
その石神社の事を紹介した地元月刊誌「りらく」の誌面を見せていただき、龍ノ口山の南東山麓にある神社と知った。
僅かな駐車スペースに車を停め、和淵山を眺めながら石神社へ用水路沿いの車道を歩く。
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石神社の縁起を記した看板が、神社入口の鳥居の手前に立っている。
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石神社は鳥居を潜って右に石段を登ったところに鎮座していた。
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奥州の達磨石とも呼ばれる石神社のご神体。
地元の方は親しみを込めて石神様と呼ぶのも理解できる、重厚感溢れる岩座だった。
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車に戻る途中、南側の田園地帯を石巻線の
一両編成の列車が走っていた。
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あまり天気に恵まれず、三陸の青い海を見られなくて少し残念だったが、
帰宅後の調査を含め、とても有意義な時間を過ごさせてくれた山だった。
人の生活の場に近い低山は、何かしらの歴史を内に秘めているので面白い。