前回、角田山に登ったのは2011年4月10日。
東北大震災の1ヶ月後で、宮城県の山の状況が分からず、大きな余震も続いていて怖かったので、絶対安全と確信できる新潟の山を選んで遠征した。

それから13年を経て久しぶりに角田山を訪れる。
今回は仕事をリタイアしたばかりのmorinoさん、角田山は2回目のmaronnさん、そしてマスさんが一緒だ。morinoさんはお初の角田山。

【 4/2 角田山(482m) 新潟・下越 】
角田浜駐車場~此の入沢登山口~小沢渡渉点~桜尾根合流点~灯台コース合流点~角田山~観音堂~角田山~灯台コース合流点~五ヶ峠コース分岐~角田岬灯台~判官舟かくし~角田浜駐車場

自宅を朝5時に出発。
今回は高速料金が頭割りできるため、東北道~磐越道を乗り継いで角田山に向かう。
この場合の走行距離は約300km(約4時間)。
何時も利用する山形県小国町経由の場合は約260km(約4時間30分)。
往路は確実に時間読みできる磐越道経由の方がストレスは少ない。

朝8時50分、角田浜の大駐車場に到着。
角田山は波打ち際から登れる山だ。

角田浜の砂浜に出て角田岬灯台を見る。
2024040201

この記事は花の写真が非常に多く、データが重くなっております。ご勘弁ください。

西へ約32km離れた佐渡は霞んでいて、小佐渡の背後にある大佐渡山脈はほとんど見えない。
2024040202

初めて歩く此の入沢コースの登山口
基本的に私有地に作られた登山道のため何も標識がない。
ロープが張られているが、車両進入禁止用のロープで、登山者の入山は禁止されていない。
2024040203

林道に入ると直ぐに草花が出迎えてくれる。
左上から時計回りにヒメオドリコソウ、ネコノメソウ、ジョウジョウバカマ、ナニワズ
2024040204

左手に最後の民家を見て林道を奥に進むと、林道両側の法面にたくさんのオオミスミソウが咲き乱れている。
2024040205

色違いのオオミスミソウが次から次へと登場するので、写真撮影に忙しく先に進まない。
2024040206

オオミスミソウのお花畑。
2024040207

地元の女性登山者に伺ったところ、このオオミスミソウのお花畑は地権者の方が植栽しているとの事
桜尾根のオオミスミソウも同様に、盗掘で激減したのを植栽によって復活させたと聞いている。
盗掘の相互監視ができる意味で、多くの登山者が集中するのはやむを得ないと思う。
2024040208

しばらく此の入沢の右岸に続く林道を歩く。
2024040209

オオミスミソウの花に埋もれることなく、白いカタクリ三姉妹が可憐に咲いていた(右下)
2024040210

何処までも続くオオミスミソウの園
2024040211

林道を曲がった先で地権者の方が花々の手入れをされていた。
「ご苦労様です」と感謝の意味を込めて声がけする。
2024040212

ショウジョウバカマとピンクのオオミスミソウ。

2024040213

この花園を過ぎると此の入沢の渡渉点は近い。
2024040214

渡渉点と言っても石飛びで簡単に渡れる。
2024040215

林道を離れて、スギ林を直線的に急登する。
2024040216

「私有地につき スパイク長靴登山 お断り」
この表示は桜尾根とまったく同じ。
2024040217

登山道に張り出す様に花々が咲いている。
2024040218

キバナノアマナが咲いていたのは一か所だけ。
2024040219 (2)

高度を上げるとカタクリの花が出てくる。
オオミスミソウの手前にはエンレイソウ。
大株のナニワズ。キクザキイチリンソウの数は少ない。
2024040219

やがて桜尾根に合流。
登山者の数が一気に増える。
同時に尾根の右斜面には谷底までカタクリの花が咲き乱れている。
2024040220

ミチノクエンゴサクとほぼ白花のショウジョウバカマ。
2024040220ミチノクエンゴサク

緩急取り交ぜながらカタクリ咲く登山道を登って行く。
2024040221

角田山のカタクリは花も葉っぱも大きい。
2024040222

下だけ見ないで、周辺の木々を眺めると、淡い黄色が映えるアブラチャンの花が結構咲いている。
2024040223アブラチャン

カタクリのアップ。
2024040224

尾根がやせてくるとケヤキの木が多くなる。
桜尾根上部は花が少ない。
2024040225

道の左手にはキクバオウレンの群生地があった。
2024040226

ここで灯台コースと合流。
桜尾根は私有地のため行政としてはあまり歩いて欲しくないようだ。
「公式登山道から出ないでください」の看板が立ててある。
今は桜尾根が角田山登山のメインルートとなっているのに、それを認めたくないのであろう。
2024040227

桜尾根分岐から木道が敷かれた道を少し登ると角田山の山頂に着く。
2024040228

山頂広場東側のベンチに腰掛けて少し早い昼食をとった。
その後、角田山の二等三角点が置かれた観音堂まで下る。
2024040229

観音堂前の広場からはこの山随一の展望が広がる。
2024040230

角田山観音堂。
野芝に腰を下ろして多くの登山者が昼休みを取っている。
2024040231

春霞であまり遠くは朧気にしか見えない。
日本海の海岸線の奥に新潟市街地がぼんやり見えていた。
2024040232

東は大穀倉地帯の越後平野と、平野の東側に連なる山々が薄く望める。
肉眼で白い雲の様に見えていた飯豊連峰
画像補正してようやく輪郭が見えてきた。
2024040233

眼下に新潟市西蒲区の巻町の街並みが見える。
その奥に霞むのは白山(左)から粟ヶ岳の稜線のようだ。
2024040234

展望を楽しんだら再び角田山の山頂に戻る。
そして灯台コースを下山する。
2024040235

灯台コースの分岐。
左は五ヶ峠、浦浜コース。
2024040236

灯台コースはプラスチックの擬木の階段が連続し非常に歩きにくい。
段より飛び出た位置に上部がつるつるの擬木が設置されているため、一段一段足場を確認しながらの下りとなる。

しかし標高350m付近の傾斜が緩い尾根まで降りると、道の両側がカタクリの花園になった。
2024040237

登山者の方々は皆さん思い思いにカタクリの写真を撮影している。
2024040238

2024040239

ずっと高曇りの空模様だったが、この頃から日差しがでてきた。
2024040240

途中、白花のカタクリを二輪見つける。
2024040241

オオミスミソウとカタクリ、そして下にはコシノコバイモのコラボ。
コシノコバイモはここしか見つからなかった。
以前、五ヶ峠コースを歩いた時に数輪見た記憶はあるが・・・
2024040242

296m独標を過ぎると、再び急な坂を下るようになる。
そこからはカタクリの花は少なくなり、オオミスミソウが出てくる。
だが尾根がやせており、ヤブっぽいのでオオミスミソウを至近距離で見れる場所は僅かだ。
2024040242 (2)

やがてヤセ尾根の岩場が出てくる。
岩場には多肉植物のタイトゴメが群生していた。
2024040243タイトゴメ

霞む佐渡を遠くに眺めながら、浮石が多く足場が悪い岩場を慎重に下る。
2024040244

尾根の北側が切れ落ちた岩場を振り返る。
2024040245

小さなピークから降りてきたヤセ尾根を振り返る。
2024040246

標高150m付近はヤブツバキが多い。
2024040247

標高156.1m四等三角点「角田岬」が置かれた小さなピークで休憩をとる。
マスさんお手製の「桜のレアチーズケーキ」を切り分けて食す。
お茶とチーズの味がマッチして美味しいケーキだった。
2024040248桜のレアチーズケーキ

休憩後、角田岬灯台を眺めながら標高差150mの急坂を一気に下る。
2024040249

北側には角田浜の駐車場が眼下に望める。
2024040250

灯台から鋭角に左折し、判官舟かくしを見学する。
2024040251

海蝕洞の判官舟かくし。
二つの洞窟は各々28mと14mの奥行があり、源義経が奥州平泉に逃げる際、追手に追われ、舟とともに身を隠した洞穴といわれている。
2024040252

波高い岩場を見る。
2024040253

素掘りの隧道を潜り、角田浜の砂浜に出る。
なかなかドラマチックな幕切れで角田山山行が終わった。
2024040254

この後、五ヶ峠から福井山を軽く歩こうと考えていたが、五ヶ浜から五ヶ峠までの道は西進のみの一方通行であることが分かり、面倒になって行かないことにした。

帰路は山形県小国町経由で車を走らせる。
道の駅関川と道の駅飯豊で買い物をしてのんびり帰った。
国道113号の梨郷道路が開通し、南陽市を完全にパスできるため、南陽市~村上市間の利便性がより増したと感じた。

GPS軌跡。
2024040255