24日は山と高原地図の登山道調査で神室連峰の火打岳を歩いてきた。
砂利押沢を登り、火打新道を下る周回コースだが、砂利押沢に関しては前回調査から6年経っており、どうしても今年中に調査が必要な状況になっていた。
しかし7月25日~26日まで山形県と秋田県を襲った豪雨により、神室連峰の登山道鵜や林道の被害状況がなかなかつかめず、調査は9月にずれ込まざるを得なくなってしまった。

【 9/24 火打岳(1238m)山形・神室連峰 】
火打新道登山口~砂利押コース登山口~火打沢~尾根取りつき~テント場~砂利口~火打北峰~火打岳~西火打岳~五合目~吐出沢~火打新道登山口

火打新道登山口の吊り橋の前に駐車し登山開始。
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林道を東進していくとロープで仕切られた車両通行止め地点に着く。
キノコ狩りと思われる車が2台駐車していた。
途中、林道沿いでハタケシメジと思われるキノコを採っている方がいて、この日はキノコを採れるかも、と期待したが道中ほとんどキノコは生えていなかった。
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砂利口沢登山口を右折し、急坂を土内川まで下る。
登山道は濡れてとても滑りやすい状態で、この後の苦労を予感させた。
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第一関門の土内川渡渉点。
9月に入ってずっと秋雨前線が停滞し、長雨が続いていたため、増水しているのは覚悟の上で来たが、予想を上回る水の多さだ。
通常、夏以降の渇水期には長靴なら濡れずに渡れる水量だが、この日は最大股下10cmの水深があり、足元がすくわれそうなのを耐えながら、細心の注意を払って何とか渡渉できた。
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対岸に渡り終え、濡れた靴下を取り替え、登山靴を履くまで少し時間がかかる。
これで一安心と思ったら甘かった。

常楽坊跡にかつての宿坊の痕跡はない。
暗く湿っぽいスギ林が広がっている。
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スギ林を抜けると砂利押沢左岸の高みをトラバースする足場の悪い道になる。
ここは6年前より草が刈られ、足場が確認しやすくなっていた。
また以前は手がかりのロープが途切れた箇所があり怖い思いをしたが、その点も改善されていた。
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沢筋に陽の光が差し込み木々の葉が輝いている。
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この景色が見えると砂利押沢出合は近い。
見下ろす沢は予想以上に増水していて、これは簡単に歩ける状態にないと覚悟した。
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左岸から滝が流入する砂利押沢出合
危ないトラバース路が終わり一息つく。
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砂利押沢コースは沢を何度も渡り返しながら登る。
渇水期なら渡渉に苦労する事もなく、どの渡渉点でも飛び石で簡単に対岸まで渡れるが、この日は増水が激しく、まったく別なコースを歩いている感じだった。
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普通は飛び石で渡る箇所の、飛び石自体が水の流れの中に沈んでいるため、渡渉2回目にして登山靴の中に浸水してしまう。そこから先は無理して飛んでも危ないだけで、意味がないのが分かり、時には登山靴のまま膝まで水に浸かって沢を渡った。
この地点、左側をへつって進むが、手前と奥の足場が完全に水中に隠れている。
下に貼った6年前の同地点の写真と見比べてもらえば水量の多さが分かる。
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主に左岸から流入する支沢の水量も多く、しかも7月末の豪雨により沢床が抉られているため、横切る場所を見極める作業が必要になった。
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砂利押沢に入って、最初は長靴を履けば良かったと後悔したが、渡渉時に膝上まで濡れる箇所が多いため、この日の水量は長靴でも対応できなかったと思う。

火打沢は平水時には跨いで簡単に通過できるが、それは無理と感じ、少し下流で渡渉し、斜面を木に掴まって登り登山道に復帰した。
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この場所は豪雨の影響で岩礫が堆積し支沢の流路が変わっていた。
岩礫は未だ安定しておらず、動く足場に注意しながら堆積地を横切った。
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サワグルミの渓畔林が出てくると、ようやく苦労した沢沿いの道から解放される。
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上部の二股を右へ。
6年前はヤブヤブで登山道が不確かだった箇所も、今回は草が刈られて楽に通過できた。
そして取りつく尾根の末端に到着。下流を眺めながら休憩を取る。
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傍らにはダイモンジソウや、
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テンニンソウが咲いていた。
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増水した砂利押沢沿いの道が終わり、少しほっとしたが、ここから主稜線の砂利口まで、標高差250mの超急登が待ち構えているのでまだ気は抜けない。
先ずはロープ場が連続する下部の登りを頑張る。長雨で湿った登山道は足場が滑りやすく気をつかう。
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標識通り、尾根取りつきから25分でテント場に到着。
誰かがテントを張った跡がある。
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テント場まで登ると、もう登りは大したこと無いと気を抜いてしまいそうだが、ここから先も急坂が続くのが分かっているので気を引き締める。

そしてかなりな疲労感を伴いながら主稜線鞍部の砂利押沢口に飛び出す。
稜線でソロの外人さんが分岐の所に立っていて少し驚いた。

大尺山を望む稜線には、大横川から冷たい強風が吹き上げていたため、慌てて長袖シャツを着る。
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今まで見えなかった鳥海山が美しい裾野を引いて出迎えてくれた。
神室連峰を境に東側は曇り、西側は晴れの天気だった。
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後は強風に気をつけながら展望の稜線歩きと思ったら、刈り払われたササが登山道上に散乱しており、ササを踏むとツルツル滑るため、足場をいちいち確認しながらの効率の悪い登りになった。
鞍部で休憩を終えたソロの外人さんも私の後を歩き始めたが、足が速い方で直ぐに抜かれてしまった。

少し登ったところから砂利押沢口と小又山を望む。
登山道には刈られたササが散乱している。
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権現山(右)と禿岳が見える。

強風に身体が煽られ撮影も大変だ。
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神室連峰で一番アルペン的な景観はここだと思う。
火打北峰と火打岳が並び、東面は雪食で切れ落ちている。
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火打北峰の頂から西火打岳と鳥海山を見る。
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同じく火打北峰から火打岳を望む。
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急登の下部を外人さんが歩いている。
この斜面の登りはササが滑って苦労した。
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ニセピークから山頂を見る。
尾根が広くなると強い東風が少し和らぐ。
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土内川の対岸にある台山
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火打岳山頂に到着。
今回は精神的にも体力的にもハードだった。
他の山友を誘わなくて正解だった。
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山頂から小又山、天狗森、神室山、前神室山へ延びる神室連峰の核心部を望む。
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先に山頂に着いていたソロの外人さんは日本語が達者で、山談義に花が咲いた。
東京在住のこの方は前日に役内口から入山して神室山避難小屋に泊り、杢蔵山荘まで一日で縦走し、翌日新庄市に下る予定とか。20分ぐらい話し込んでから別れる。

山頂から見た大尺山
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連峰南部の縦走に向かう外人さん。
ここから見ると杢蔵山は遥か彼方。
月山は雲に隠れて見えない。
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山頂で食事をしながらゆっくり休憩を取った。
食事の後にコーヒーを飲みながらマスさんお手製の「練り切り・紫式部とダリア」を食べる。
山で食べる甘い和菓子は限りなく美味しい。
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結局、外人さんと立ち話を含め、山頂で50分も過ごしてしまった。
まあ後は火打新道を下るだけなので気が楽だ。

下り始めの風衝地から西火打岳と鳥海山を望む。
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ガレた風衝地にはエゾオヤマリンドウが咲いていた。
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ハクサンフウロの咲き残り。
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ウメバチソウの花もほとんど終わっていた。
この界隈の紅葉は10月10日頃になりそうな感じだ。
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主稜線と違い火打新道は今年刈り払いが行われていないので、登山道沿いに未だミヤマアキノキリンソウが咲き残っていた。
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火打岳と西火打岳の中間ピークに登り返すと、火打岳が見えた。
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西火打岳へ向かう途中、砂利押沢から一気に登った尾根が見えた。(影になっている尾根)
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尾根筋の道は乾いていると期待していたが、これも甘かった。
7月の豪雨で登山道に積もる落ち葉がほとんど流されてしまい、湿った土と木の根が露出して滑ること滑ること・・・
安易に足を踏み下ろす事が出来ず、一歩一歩足場を確認しながら下るので大腿四頭筋を酷使する。
特に写真の三の坂の急坂がきつかった。(今は三の坂、二の坂、一の坂の標識が確認できなかった。)
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三の坂と二の坂の境の五合目は休まず通過。
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木々の間から形がかなり変わった台山が見える。
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途中、尾根の傾斜が緩み、尾根がヤセてくるとヒメコマツとヒノキアスナロが繁茂した森になる。
ここはブナの原生林が続く火打新道の中で特殊な植生が見られる場所だ。
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二、五合目で木の根に腰掛けて休憩を取る。
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二合目の標識がある場所は二重山稜の様な変わった凹状の底を通過する。
この場所の標高では二重山稜はあり得ないので、おそらく斜面が南側に少し地滑りした跡ではないかと思う。一瞬ブル道にも見えるが、下部につながるブル道は存在しない。
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そして火打新道最大の難所、一の坂の超急坂の下りが始まる。
この日は道が湿っていて滑るため、過去一番注意して下った。
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砂利押沢の増水を見ているので、吐出沢の水量が気になっていたが、この渡渉も石飛びで安易に渡れない状況だった。どうせ靴は中までびしょ濡れなので、水中の石を濡れながら踏んで渡った。
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土内川にかかる吊り橋から火打新道のルートの一部を振り返る。
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これで今年一番の課題と思っていた砂利押沢コースの登山道調査が無事完了した。
増水していない時にこのルートを歩き「何でこのルートが破線ルートなのか分からない。」と記している登山記録を見た事があるが、天候や沢の水量によって難易度が激変するルートであるため、破線ルートの評価は外せないと改めて感じた。

GPS軌跡。
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