大晦日の夜、紅白歌合戦を見ていたら近所の坂で車のタイヤがスリップしている音が聞こえてきた。
薄く雪が積もって路面が凍結しているようだ。
これで初日の出登山をする気がなくなり、午前2時頃まで音楽を聴いていた。

遅く起きた朝、少し風は強いが穏やかに晴れた元日となった。
神棚を拝み、マスさんお手製のおせち料理を食べる。
マスさんは正月三が日は仕事だ。
新聞に一通り目を通し、何処か近場の山を歩いてくる事にする。

山のSNSにアップされている太白山の情報を見ると、初日の出登山で多くの方が登ったようだ。
この山は2022年3月16日の東日本大震災の余震以来、生出森神社から山頂までの登山道が閉鎖されている。山自体が私有地で登山道の整備は生出森神社が担っており、仙台市は手を付けられないという。
しかし現在、通行止めのロープを潜って自己責任で登る方が増えていて、管理者の意向とは異なる状況になっている。

私自身、山岳ライターをしている関係から、これまで太白山登山は控えていたが、「分県登山ガイド・宮城県の山」に掲載している関係上、何処かで登山道の調査に行かねばと思っていた。
今回、ちょうど良い機会なので、調査と山頂に祀られた貴船神社への参詣を兼ねて、2025年の初登山に行ってきた。

【 1/1 太白山(321m) 宮城・仙台市近郊 】
太白山自然観察の森駐車場~みはらしの道経由・生出森八幡神社~太白山~北コース十字路~太白の道合流~太白山自然観察の森駐車場

元日の仙台城址は護国神社に初詣をする車両でかなり渋滞していた。
25分ぐらい渋滞に巻き込まれて、お昼前に登り始める予定が狂う。
太白山自然観察の森駐車場を12時半ごろ出発。
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毎回何故かみはらしの道を往路で使ってしまう。
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西側が伐採された場所。
蕃山の山頂が少しだけ見える。
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北斜面に僅かに残る雪。
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みはらしの道の最高点から見た太白山
ここも木々が伐採されて見通しが良くなった。
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東には東北道をはさんで太白団地が見える。
東北道を走る車両の音が上ってくる。
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太白の道の分岐を左へ。
途中からスギ林を登り、東側の石垣が崩れた生出森八幡神社の下に出る。
ここに立入禁止のロープが設置されている。
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太白山登山で一番の難所、岩混じりの急坂の下に出る。
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急登の途中、仙台市街地や牡鹿半島が見えてくる。
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東には太白区長町方面と太平洋の大海原が見えた。
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立入禁止になっているから、この岩場は浮石が多いのかな、と思っていたら、以前と変わらない状態だった。
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岩場の上部から登ってきた道を見下ろす。
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北の肩から直角に左折し、山頂への最後の斜面を登る。
道の左下に直径1mぐらいの岩が転げ、斜面に引っ掛かっているいたので、この岩が落ちる事を懸念して登山道を立入禁止にしているのかもしれない。
私の口から「立入禁止を無視して登っても大丈夫」とは絶対言えない状態だ。
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山頂に着く。南東には西の平地区と高館丘陵が望める。
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山頂の貴船神社に今年の家族の無事を願って参拝する。
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山頂の東側は木々が伐採され、以前より展望が広がった。
これなら初日の出は良く見えただろう。
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北西には蕃山と泉ヶ岳が重なって見える。
泉ヶ岳に初日の出登山に向かった方は腰下ラッセルを強いられたそうだ。
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蔵王連峰は雪雲の中。
尖った愛宕山の右奥に青麻山が見える。
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山頂の岩塊の上に腰掛け、東側の景色を眺めながら軽く昼食をとる。
温かいコーヒーが美味しい。

食事中に親子連れの登山者が登ってきた。
この日出会ったのは6組12名。

帰路は北コースを下る。
上部のロープ場は写真を撮る余裕なし。
大岩から蕃山を眺める。
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北コースは薄雪が積もっていたため、滑る足場に気をつけてくだる。
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やがて標識のない十字路に出る。
直進すると北コース登山口。左は西登山口へ下る。
右折する道を歩いたことがないので、今回初めて足を踏み入れた。
おそらくこの道は太白の道へ出るだろうと予想する。

途中、不確かな分岐が二か所。
最初の分岐は赤テープがある右の道を登ってみたらすぐに道が無くなり引き返す。
二つ目の分岐は直進する尾根が倒木だらけで、見ただけで歩けないと判断。オレンジテープがある右の道へ入る。すると予想通り太白の道へ合流できた。

太白の道の下部は美しい雑木林があり心落ち着く。
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自然観察センターから舗装された林道を歩いて駐車場に戻った。
「分県登山ガイド・宮城県の山」の増版がある場合、私が執筆した山ではないが、どの様に立入禁止を表現するか悩むと思う。
ただし現状でも「落石注意! 落石による事故等の責任は一切負えません。十分御注意ください。生出森八幡神社」と記載された看板が二か所設置されているので、それで充分かな、とも思う。

GPS軌跡。
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