昨年1月に登米市津山側から翁倉山に登ったが、急に雪が降ってきて展望地・釣瓶山から見る志津川湾が隠れてしまった。機会を見てもう一度歩こうか、と思いながら1年が経過。
前回はマスさんを連れて行かなかったので、一緒に行けるタイミングを狙っていたら、ちょうど3月1日にMさん含めて休みが合った。

【 3/1 翁倉山(531m 宮城・南三陸 】
大萱沢渓流公園~物見石山登山口~袈裟切地蔵~物見石山~4等三角点・物見石~鞍部~石巻市北上町ルート合流~翁倉山~翁倉山東峰~林道分岐~釣瓶山~下山コース分岐~大萱沢山~愛宕山~市町境の峠~大萱沢渓流公園

昨年は正規の登山道を歩いたので、今回は大萱沢渓流公園を起点に物見石山~翁倉山~釣瓶山を周回する予定で家を出た。
物見石山は2003年2月13日に物見石山と、西側の長畑山、北側の弥勒山を別々に麓から登っているが、その時は南側の鞍部から437m独標に登り、433.6m4等三角点・物見石、444mの地図上の物見石山まで稜線を歩き、山頂から東側のスギ林を下っているので袈裟切地蔵は見ていない。

大萱沢渓流公園の駐車場に着くと、工事用の4Tトラック3台とバックホーが駐車していて停められず、公園内に乗り入れて駐車した。テントを張ったキャンパーの車が2台駐車しているので、乗り入れることは問題ないようだ。
2025030101

約400m弱,舗装道路を北へ戻る。
2025030102

十字路のところに物見石山の標識が建っている。
物見石山は西に派生する林道に入る。
2025030103

手入れされたスギ林の中を進む。
2025030104

林道途中の標識を右へ。
2025030105

伐採作業用のブル道を登る。
振り返ると対岸の山が望める。
2025030106

この日、雪が残っていたのはココだけ。
登山者に踏まれた雪が凍って足元が少し滑る。
2025030107

標識がなく、赤テープが目印の分岐をまた右へ。
枯れススキの茂る細い道を登る。
2025030108

伐採斜面の最上部からアカマツの梢越しに翁倉山が見えた。
2025030109

物見石山から北へ伸びる尾根に着く。
少し太いケヤキの木が立っている。
2025030110

物見石山に続く尾根を緩く登る。
登山道と言うには少し道幅が細いが、赤テープが随所に付けられ、踏み跡を外すことはない。
偽ピークを過ぎた先に見たかった袈裟切地蔵(けさきりじぞう)が安置されていた。
2025030111

このお地蔵様は現地の標識によると、江戸時代の享保16年(1732年)に修験者の死を弔うために、地域の方々が建立したものとか。花崗岩で創られ、袈裟切りで切られたように肩から割れていることから袈裟切地蔵と呼ばれている。
2025030112

背後から見ると袈裟切りの由縁が良く分かる。
2025030113

袈裟切地蔵から南へ僅かに登ると標高444mの物見石山に着く。
山名標識はなく、雑木に囲まれ展望もない。
2025030114

物見石山山頂から稜線を南へたどる。
随所に赤テープがあり、中級者以上の登山者なら迷うことはないだろう。
2025030115

モミの木が出てくると北上山地の山を歩いてくる実感が湧いてくる。
この稜線、ほとんど人工林が無く、雑木林の逍遥が楽しめる。
2025030116

標高433.6mの四等三角点・物見石。
このピークから南側の稜線は踏み跡が細くなり、赤テープも少し疎らになる。
2025030117

四等三角点ピークを振り返る。
2025030118

木々の間から見えていた翁倉山が少しづつ近づいてきた
2025030119

尾根から離れて鞍部へ降りるポイントが一つの関門だと思っていたが、左右に炭焼き跡が確認できる地点から先は赤テープがベタ張りで間違い様がなかった。
2025030120

鞍部まで降りると、峠を越える地形図上の破線ルートが今でも存在していた。しかしヤブは少し繁茂しているが・・・
2025030121

美しい雑木林が広がる鞍部付近。
2025030122

踏み跡は尾根を直線的に登らず、ジグザグで登るため、急坂でもさほど疲れない。
2025030123

途中、赤テープが付いたヤブ道が右に派生していた。
西側の桑の沢地区から登ってくる林道に降りる道と思う。

平らな484m独標付近は北側がスギ、もしくはヒノキの植林地。南側はアカマツ林で植生が分かれていた。やがて石巻市北上町との市境尾根に着くと、南から登ってくる登山道と合流する。

奥に見える山が翁倉山山頂。
2025030124

翁倉山の山頂に着く。
天気が良いのに誰も登ってこない。
2025030125

山頂に祀られた翁倉嶽神社
横にサングラスの忘れもの。そう言えば物見石4等三角点峰の南側山頂直下にもサングラスが木に引っ掛かっていた。
2025030126

晴れているが、気温が高く志津川湾は霞んでいる。
この日の気温は16度まで上がった。春霞ですね。
2025030127

南には硯上山と北上川がぼんやり見えている。
左の松の木の横に大川小学校跡がある。
北上川にかかる橋が新北上大橋。大川小学校の教師と生徒は河口から約4km離れた橋の上に避難して大津波に飲まれた。
2025030128

山頂でマスさんお手製の『クルミとりんご、チーズのキッシュ』を食べる。
少し風はあるが、日だまりで暖かな山頂でのんびり過ごした。
2025030129

釣瓶山への周回ルートは翁倉山東峰から左折する。
この先の急坂の下りで足場が滑り、ちょっと危ない感じだった。
2025030130

鞍部で林道に下る道が左に分れる。
釣瓶山へは直進。450m無名ピークから南三陸町との市町境を歩く。
翁倉山からこの450m無名ピークまでの尾根が市町境であるのを不思議に感じ調べてみたら、水戸辺川源流一帯の森林を北上町がいち早く開発したので、分水嶺に関係なく市町境界が引かれたらしい。
2025030131

西へ下った鞍部で再び林道へ下る登山道が分岐する。
急坂を登り返し、雑木林の美しい尾根を北へ向かう。
振り返ると翁倉山が梢越しに見えていた。
2025030132


コナラとアカマツ混じりの雑木林を進むと釣瓶山山頂は近い。
2025030133

志津川湾が一望できる釣瓶山の山頂に着く。
2025030134

くっきりと青い海が見えず残念だが、昨年の雪が降る状態から考えると文句は言えない。
写真の範囲外だが、左手に田束山や徳仙丈山が見えていた。
2025030135

釣瓶山の山頂標識。板が外れてしまったね。
山頂で休憩しているとカップルの登山者が来て、山頂で写真を撮ったらすぐに戻っていった。
この日、登山中に出会ったのはこの二人だけ。
2025030136

さて、今回再確認したかったのは釣瓶山から北へ下っていく顕著な道の存在だ。
元々、正規ルートの林道を下るつもりで釣瓶山まで来たが、北へ伸びる立派な登山道?を見ると、そっちの方向へ下ってみたくなった。

改めて地図を見て歩けそうか否か考える。
前日に北の402.8m四等三角点の点名が大萱沢と言うのは分かっていた。
問題は354m峰からほぼ直角に西へ下る市町境界の斜面に道が存在するかの一点だ。
まあ、そこまで行ってみた対応を考えようと思い、市町境尾根を北へ歩きだす。
2025030137

急坂を下ると雑木林の緩いアップダウンがある尾根が続く。
釣瓶山を振り返る。
この道は林業の作業道か、もしくは火防線(防火帯)なのか分からないが、下手な登山道より遥かに歩きやすい道だった。
2025030138

途中、左に下山コースが分かれる。
砂防ダムまで下れるようだが詳細は不明。
見下ろすとかなりな急坂に赤テープが付けられている。
2025030139

コナラとシデの雑木林が続く。
自然度が高い道だ。
2025030140

402.8m四等三角点(点名:大萱沢)ピーク。
ここでも志津川湾が見渡せた。
2025030141

三角点ピークから先はスギの人工林が出てきて、一部踏み跡を辿る場面もある。
しかし尾根が細いので、道迷いの心配はいらない。

小さなコブを幾つか越えた先の不確かなピークが354m峰。
ここに約400m弱,舗装道路を北へ戻る。

十字路のところに物見石山の標識が建っている。
物見石山は西に派生する林道に入る。

手入れされたスギ林の中を進む。

林道途中の標識を右へ。

伐採作業用のブル道を登る。
振り返ると対岸の山が望める。

この日、雪が残っていたのはココだけ。
登山者に踏まれた雪が凍って足元が少し滑る。

標識がなく、赤テープが目印の分岐をまた右へ。
枯れススキの茂る細い道を登る。

伐採斜面の最上部からアカマツの梢越しに翁倉山が見えた。

物見石山から北へ伸びる尾根に着く。
少し太いケヤキの木が立っている。

物見石山に続く尾根を緩く登る。
登山道と言うには少し道幅が細いが、赤テープが随所に付けられ、踏み跡を外すことはない。
偽ピークを過ぎた先に見たかった袈裟切地蔵(けさきりじぞう)が安置されていた。

このお地蔵様は現地の標識によると、江戸時代の享保16年(1732年)に修験者の死を弔うために、地域の方々が建立したものとか。花崗岩で創られ、袈裟切りで切られたように肩から割れていることから袈裟切地蔵と呼ばれている。

背後から見ると袈裟切りの由縁が良く分かる。

袈裟切地蔵から南へ僅かに登ると標高444mの物見石山に着く。
山名標識はなく、雑木に囲まれ展望もない。

物見石山山頂から稜線を南へたどる。
随所に赤テープがあり、中級者以上の登山者なら迷うことはないだろう。

モミの木が出てくると北上山地の山を歩いてくる実感が湧いてくる。
この稜線、ほとんど人工林が無く、雑木林の逍遥が楽しめる。

標高433.6mの四等三角点・物見石。
このピークから南側の稜線は踏み跡が細くなり、赤テープも少し疎らになる。

四等三角点ピークを振り返る。

木々の間から見えていた翁倉山が少しづつ近づいてきた。

尾根から離れて鞍部へ降りるポイントが一つの関門だと思っていたが、左右に炭焼き跡が確認できる地点から先は赤テープがベタ張りで間違い様がなかった。

鞍部まで降りると、峠を越える地形図上の破線ルートが今でも存在していた。しかしヤブは少し繁茂しているが・・・

美しい雑木林が広がる鞍部付近。

踏み跡は尾根を直線的に登らず、ジグザグで登るため、急坂でもさほど疲れない。

途中、赤テープが付いたヤブ道が右に派生していた。
西側の桑の沢地区から登ってくる林道に降りる道と思う。

平らな484m独標付近は北側がスギ、もしくはヒノキの植林地。南側はアカマツ林で植生が分かれていた。やがて石巻市北上町との市境尾根に着くと、南から登ってくる登山道と合流する。

奥に見える山が翁倉山山頂。

翁倉山の山頂に着く。
天気が良いのに誰も登ってこない。

山頂に祀られた翁倉嶽神社。
横にサングラスの忘れもの。そう言えば物見石4等三角点峰の南側山頂直下にもサングラスが木に引っ掛かっていた。

晴れているが、気温が高く志津川湾は霞んでいる。
この日の気温は16度まで上がった。春霞ですね。

南には硯上山と北上川がぼんやり見えている。
左の松の木の横に大川小学校跡がある。
北上川にかかる橋が新北上大橋。大川小学校の教師と生徒は河口から約4km離れた橋の上に避難して大津波に飲まれた。

山頂でマスさんお手製の『』を食べる。
少し風はあるが、日だまりで暖かな山頂でのんびり過ごした。

釣瓶山への周回ルートは翁倉山東峰から左折する。
この先の急坂の下りで足場が滑り、ちょっと危ない感じだった。

鞍部で林道に下る道が左に分れる。
釣瓶山へは直進。450m無名ピークから南三陸町との市町境を歩く。
翁倉山からこの450m無名ピークまでの尾根が市町境であるのを不思議に感じ調べてみたら、水戸辺川源流一帯の森林を北上町がいち早く開発したので、分水嶺に関係なく市町境界が引かれたらしい。

西へ下った鞍部で再び林道へ下る登山道が分岐する。
急坂を登り返し、雑木林の美しい尾根を北へ向かう。
振り返ると翁倉山が梢越しに見えていた。


コナラとアカマツ混じりの雑木林を進むと釣瓶山山頂は近い。

志津川湾が一望できる釣瓶山の山頂に着く。

くっきりと青い海が見えず残念だが、昨年の雪が降る状態から考えると文句は言えない。
写真の範囲外だが、左手に田束山や徳仙丈山が見えていた。

釣瓶山の山頂標識。板が外れてしまったね。
山頂で休憩しているとカップルの登山者が来て、山頂で写真を撮ったらすぐに戻っていった。
この日、登山中に出会ったのはこの二人だけ。

さて、今回再確認したかったのは釣瓶山から北へ下っていく顕著な道の存在だ。
元々、正規ルートの林道を下るつもりで釣瓶山まで来たが、北へ伸びる立派な登山道?を見ると、そっちの方向へ下ってみたくなった。

改めて地図を見て歩けそうか否か考える。
前日に北の402.8m四等三角点の点名が大萱沢と言うのは分かっていた。
問題は354m峰からほぼ直角に西へ下る市町境界の斜面に道が存在するかの一点だ。
まあ、そこまで行ってみた対応を考えようと思い、市町境尾根を北へ歩きだす。

急坂を下ると雑木林の緩いアップダウンがある尾根が続く。
釣瓶山を振り返る。
この道は林業の作業道か、もしくは火防線(防火帯)なのか分からないが、下手な登山道より遥かに歩きやすい道だった。

途中、左に下山コースが分かれる。
砂防ダムまで下れるようだが詳細は不明。
見下ろすとかなりな急坂に赤テープが付けられている。

コナラとシデの雑木林が続く。
自然度が高い道だ。

402.8m四等三角点(点名:大萱沢)ピーク。
ここでも志津川湾が見渡せた。

三角点ピークから先はスギの人工林が出てきて、一部踏み跡を辿る場面もある。
しかし尾根が細いので、道迷いの心配はいらない。

小さなコブを幾つか越えた先の不確かなピークが354m峰。
ここに倒れた石地蔵があった。
帰宅後、調べてみると、この354m峰は愛宕山といわれ、戸倉荒町や西戸の集落から翁倉山への登拝ルートに当たる山だったらしい。倒れた石地蔵は直立すると高さ6尺(1.82m)もあるとか。
昔は山頂に大きなスギの木があり、『一本杉』とも呼ばれたという。
2025030142

西戸部落の方が作ったベンチは現在使用不可能。
大津波の被害を受けて、お参りに来る方も途絶えてしまったのかなぁ。
2025030143

さてここから一番懸念していた市町境界の急斜面を下る。
疎らに赤テープが木々についているが、まったくアテにならないマーキングで、九十九折りの踏み跡通りに下ると棘薮に突入したりする。
斜度は目算で35度ぐらいあり、木に掴まらないと下れない。
その掴む木が枯れている場合も多く、凄く気を使って下った。
はっきり言って、この急斜面の下りの一点だけで、当ルートはお勧めできない。
2025030144

標高差で約70mぐらい下ると、顕著な尾根筋の道に出る。
右手は伐採跡地が広がり、左手に弥勒山、右奥に保呂羽山が見渡せる。
急坂は低木が頼りで下ってきて写真を撮る余裕がなかったが、ここでようやくシャッターを押せた。
2025030145

下ってきた道を振り返る。
ここから見ると、上部の苦労した斜面の様子は分からない。
2025030146

尾根の途中から赤テープのマーキングに従って左折し、綺麗に枝打ちされたスギ林を下る。
最後に右に曲がった先で市町境の林道の峠に出る。
そこには山道を示す何らかの標識やマーキングがなく、逆コースから登った場合、登山口を見つけるのは至難の業だ。
2025030147

峠から約400m西へ下ると、物見石山の標識があった十字路に出る。
後は大萱沢渓流公園の芝地を歩いて車に戻った。
2025030148

釣瓶山から北の尾根を歩くのは当初の予定に無かったが、最後の超急坂の下りを除いて、とても自然度の高い良い行程だった。林道歩きが非常に長い正規ルートより、今回の周回路を整備した方が登山ルートとしてより価値が高いと思うが、歩行距離が約10kmもあるので難しいかな。

GPS軌跡。
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