15日は昨年11月にコースが開設された宮城オルレ・多賀城コースを歩いてきた。
このコースは史跡巡りに特化し、歴史を学ぶコースで、自然との触れあいを期待すると肩透かしにあう。しかし歩くことでしか分からない見どころも多く、新たな多賀城を発見した感じがした。

【 1/15 宮城オルレ・多賀城コース(宮城県・多賀城市) 】
JR仙石線多賀城駅~野田の玉川~おもわくの橋~天満宮~多賀城廃寺跡~東北歴史博物館~JR東北本線国府多賀城駅~浮嶋神社~作貫地区~外郭東門跡~加瀬沼~多賀城政庁跡~多賀城碑~多賀城南門~多賀城跡ガイダンス施設~JR仙石線多賀城駅

JR仙石線多賀城駅前のコインパーキング(1日900円)に車を停めてスタート。
駅南口にある多賀城市観光協会は着いた時に営業時間外であったが、入口左側に「宮城オルレ・多賀城コース」にのパンフレットが置いてあり、それで本コースの全体像をつかんだ。
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駅南口から左手、砂押川に沿って進む。
この付近、矢印やテープが少なく、どちらに進んでいいのか分かりにくい。
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横断歩道を渡り、砂押川支流の玉川にかかる橋に出る。
パンフレットではこの地点を「野田の玉川・おもわくの橋」と記しているが、おもわくの橋はさらに上流の場所にあった。
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玉川沿いの歩道に咲くサザンカ
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ここは平安中期、能因法師が歌枕「野田の玉川」を詠んだ歌「夕されば 潮(しこ)風越して 陸奥(みちのく)の 野田の玉河 千鳥鳴くなり」にちなみ、江戸時代に仙台藩が整備したという。
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安倍貞任が女性「おもわく」のもとへ通ったと伝わるおもわくの橋を渡る。
また西行が歌枕として詠んだ「踏まま憂き 紅葉の錦 散り敷きて 人も通わぬ おもはくの橋」の歌も刻まれている。
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おもわくの橋から上流部は川床に沿って歩いていける。
他ではあまり見られない景観で楽しい。
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細い川にもかかわらずカルガモの群れがいた。
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玉川から離れ、テープが途切れて進行方向に迷う中、山勘で進み米粉パン・トゥットの前を通過。
米粉パン買いたかったが、残念ながらこの日は定休日だった。

空き地を西へ進み南側の丘にある、かつて留ヶ谷村の鎮守様だった天満宮へ登る。
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樹齢250年のスダジイの巨木や、ケヤキ、桜の大木がある境内。
桜の開花期に来たら良さそうだ。
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住宅地の狭い車道を西進し、多賀城廃寺跡に出る。
まずサザンカが満開のさざんかの森を下る。
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下りきった場所からU字型に右手に登り返す。
この付近、里山の雰囲気があって良い。
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昭和41年に国の特別史跡に指定された多賀城廃寺跡。
多賀城とほぼ同じ8世紀前半に創建された付属寺院で、東側のこの場所には三重の塔、西に金堂(きんどう)が互いに向かい合うように建っていたという。
この伽藍配置は、福岡県の太宰府の付属寺院である観世音寺と共通している。
ところでこの赤いカンセが向く方法は間違っていると思うが・・・我々は手前からこの場所に来ている。
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車道の坂を下り、東北歴史博物館が見えたところで右折し遊歩道を歩く。
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池の東側の公園内を通過。
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東北歴史博物館の入口北側にある今野家住宅に立ち寄る。
石巻市北上町北浦にあった民家を移設し、当時の姿に復元した建物とか。
肝入を務めていた今野家のこの母屋は1769年(明和6年)に建てられ、建坪72坪の大きな建物だ。
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母屋の中を見学できる。
釜神さまがある台所。
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神棚のこの正月飾りは初めてみた。
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JR東北本線国府多賀城駅の「悠久ロマン回廊」と呼ばれる自由通路を通って南口から北口に抜ける。
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ルートは国府多賀城駅の北西にある特別史跡の館前遺跡を通過する。
ここは多賀城政庁跡と多賀城廃寺跡のちょうど中間点に位置し、6棟の掘立柱建物跡が発見されており、多賀城に赴任した国司の館跡と考えられている。
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次は住宅地の北側にある浮嶋神社に立ち寄る。
新古今和歌集に収められ、山口女王(やまぐちのおおきみ)が恋人である大伴家持(おおとものやかもち)へ贈ったとされる「塩竃の前に浮たる浮島の 憂きて思ひのある世なりけり」と詠まれた歌枕「浮島」が、今の浮嶋神社だと言われている。
なお奥の細道の旅の途中、松尾芭蕉がこの地に立ち寄ったとされる。
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県道35号・泉塩釜線を渡り、庭にロウバイ咲く民家の横を通って少し進むと、左手の山道に入る。
竹林のトンネルを潜り、ようやく舗装道路から解放されたと嬉しくなる。
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そして多賀城跡作貫地区手前の斜面を緩く登る。
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丘を登りきると直ぐに左折、南側の東屋のベンチに腰掛け、景色を眺めながら昼食をとった。
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休憩後、ヤブツバキが群生する林の際を下る。
3月の開花期には見事に咲き誇るかもしれない。
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下ったと思ったら急に右折しスギ林の中の階段を登る。
上部はシャガが群生していた。
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登りきると草地に出て、左に樹齢170年のハクモクレンの大木を見る。
そして右手には多賀城作貫地区の役所跡が現れた。
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役所跡の北側にある空堀の跡。
保存のために覆屋が作られている。
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採草地?になっている大畑地区の草原の中を歩く。
多賀城市内とはとても思えない光景が広がる。
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外郭東門跡手前遊歩道を緩く登る。
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大畑地区にある外郭東門跡付近の堀立柱式の建物跡。
多賀城跡がこんなに広かったと、実際歩いてみて初めて実感できた。
車で一部分だけ歩くだけでは分からないと思う。
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車道を横断し、駐車場の先で加瀬沼へ下る山道に入る。
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スギ林を緩く下って灌漑用ため池の加瀬沼へ。
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オルレコースから少し外れて加瀬沼の沼畔へ立ち寄る。
この沼は「多賀城の自然と野鳥を守る会」により、冬季に水鳥の餌付けがなされており、冬の渡り鳥の飛来地として有名だ。この時もハクチョウやカモが群れていた。
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堤の上で渡り鳥を眺めながらでマスさんお手製の『フルーツ蒸し羊羹』を食べる。
ドライフルーツと胡桃を竹の皮に包んだ、とても美味しい羊羹だった。
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畑と採草地の間を登って行くと、南西側の展望が少しだけ広がった。
仙台市の市街地と遠く青麻山が霞んで見える。
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スギ林を下り、T字路を左折するとすぐに車道に出る。
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多賀城神社を見ると多賀城政庁跡は近い。
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ここからが宮城オルレ・多賀城コースの一番の見どころ、奈良、平安時代には陸奥国の国府が置かれていた多賀城政庁跡に着く。
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多賀城政庁跡は多賀城のほぼ中央に位置している。
東西103m、南北116mの築地塀で囲われ、貴重な政務や儀式が行われた場所だった。

宮城県はこの
多賀城政庁を復元する方針を固めたという。
工事期間は十数年から20年ほどで、数十億円から100億円の費用を見込んでいるとか。
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これは政庁の復元模型。
立体的に見せてくれると当時の様子がよく分かる。
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政庁跡から多賀城南門へ続くメインストリートの政庁南大路を下る。
道路幅は23mもあったとか。
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政庁南大路の東側に位置する役所跡の城前地区にちょっと寄り道。
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令和6年に多賀城創建1300年を記念して兵士を管理する軍事担当の役所(官衙・かんが)の主屋の柱、梁、組み物、屋根架構、垂木などの構造を復元した建物ができた。
そんな昔からこれ程の大規模な木造建築ができていた事に驚く。
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県道35号を横断して南側、2024年に復元された多賀城南門の側に、小さなお堂に収められた多賀城碑(国宝)がある。
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この碑はほぼ真西に向けて立っており、碑面には中央に「西」の一字、その下には140字が11行に配されている。
碑文は前半に京(平城京)、蝦夷国、常陸国、下野国、鞨国(まつかつのくに)から多賀城までの距離。
後半には多賀城が神亀元年(724)大野朝臣東人(おおののあそんあずまひと)により設置されたこと、天平宝字6年(762)藤原恵美朝臣朝狩(ふじわらのえみのあそんあさかり)により改修されたことが記されていて、最後に天平宝字6年12月1日と碑の建立年月日が刻まれている。
また平安時代から歌に詠みこまれた歌枕「壺碑(つぼのいしぶみ)」としても知られ、西行の和歌「陸奥
の 奥ゆかしくぞ 思ほゆる 壺のいしぶみ 外の浜風」で有名だ。
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そしてこの日のハイライト、多賀城南門の前に立つ。
この門も2024年に多賀城創建1300年を記念して復元された。
堂々とした荘厳な姿と、雅な色彩が素晴らしい。
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その後、東側の高台に登り、あやめ園を見下ろす。
毎年6月中旬ごろ、「多賀城あやめまつり」が開催され、800種300万本のアヤメ、カキツバタ、ハナショウブが咲き乱れる。
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そして多賀城コースのフィニッシュ・多賀城南門の下にあり多賀城跡ガイダンス施設に立ち寄る。
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多賀城の歴史を大型モニターで楽しめ、歩いてきた場所のつながりが良く分かった。
この施設には絶対に立ち寄った方が良い。オルレのスタンプが置かれているし・・・
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今回はスタート地点のJR仙山線多賀城駅前に車を置いているので、道路を2km強歩いて多賀城駅へ戻った。所要時間30分程度なので、歩いても大した事はない。ただしコースのテープなど一切ないので、グーグルマップなどを使用して歩きたい。
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登山じゃないので何度も歩きたいと思えるコースではないが、宮城県民としては古来の多賀城の歴史を知る上で一度は歩くべきコースだと思った。
歩くなら桜の開花期か、紅葉の秋が良いだろう。

GPS軌跡。(クリックで拡大)
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